展覧会の絵
『-パリを愛した画家- 西村功展』を観に雨の中、西宮の大谷記念美術館へ。
絵画というのは、ひとつの“世界”だ。画家はいくつもいくつも世界を構築していく。もちろん音楽も、小説も、映画も、うたもそうだが。
そして、展覧会に出品されている絵は、観る人を含包したひとつの“世界”を作る。
充分に光量がコントロールされた空間。たまに聞こえるトーンを落とした囁き声とか、かすかな足音や衣擦れ以外の音が存在しない空間。そこにかけられた絵と、人々は静かに向き合い、その刹那ひとつの世界を構築する。
西村画伯の作品は、心地よい癒しを与えてくれる優しい絵。特に晩年に近い頃、神戸の旧居留地の街並みを水彩で描いた作品群が好きだ。神戸っ子の心をぐっととらえるセンスのよさは稀有のものだろう・・・パリを愛した画家は、神戸っ子に愛された画家だった。
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