さくっと恐ろしいエコロジー
「エコ」なることばが独り歩きして妙な意味で使われることも多いが、本家のエコロジー(生態学)の世界は奥が深くて面白い。いや、保全生態学の世界を覗き見ると、背筋が寒くなってしまう。
多様な生物がひしめき合ってひとつのバランスの取れた生態系を形成していたところへ、猿から進化した大型哺乳類が大量繁殖し、あろうことか我が物顔で環境をめちゃめちゃにしてしまった。ここ数年、異常な暑さ、寒さや豪雨・豪雪が頻発するが、もはや「地球温暖化をどうする?」などと言っているレベルの話ではないらしい。
ラクだとか便利だとかって理由で、今のままのライフスタイルを続けていくとどうなるのだろう。明るい未来なんて想像できなくなってしまう恐ろしい一冊だった。
「天と地と人の間」
鷲谷 いずみ 著
岩波書店 2006.2.23 第1刷 発行
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