ミッシングリンク!
昨日、植物食者の自分は食物連鎖の下位に存在する、と書いたが、よく考えるとこれは間違っている。驚異の大量繁殖を遂げた人類だが、都市生活をしている現代人は、実は生態系の、食物連鎖の環の中には存在していない!
食物連鎖(フードチェーン)とは、例えば光合成で成長する植物を昆虫や小動物が食べ、それらをも少し大型の動物が食べ・・・という関係だが、実際にはもっと複雑な編み目状に関連しているので最近では“フードウエブ”という考え方が出てきた。
人間が大型獣に捕食されなくなった時点で、食物連鎖の中のひとつの頂点に位置することになったわけだが(捕食はするが自らはされない)、土葬時代は、それでも“腐食連鎖”の中には存在していた。亡骸を土中に埋めることで分解者によって栄養物として分解され、土中の微細な生物を養い、それらを昆虫や小動物が餌とすることによって生態系にリンクしていた。
が、土葬の習慣がなくなった今の日本では、人間は完全に“フードウエブ”からリンクが外れててしまった。他の生物に比べて超巨大なカラダを(つまり栄養たっぷり)、せっかく死んでもワザワザ化石資源を使って燃焼させてしまうから、完全に生態系の中のハミ出し者って訳だ。つまりフードウエブにおける巨大なミッシングリンク・・・
北鎌尾根で遭難した松濤明は、壮絶な風雪のビヴァークの中で死の直前「我々ガ死ンデ 死ガイハ水ニトケ、ヤガテ海ニ入リ、魚ヲ肥ヤシ、又人ノ身体ヲ作ル 個人ハカリノ姿 グルグルマワル・・・」と書き残したが、おそらく魚を肥やすことなく荼毘にふされてしまったことだろう。哀しい・・
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