須藤元気の『幸福論』
スポーツ観戦の趣味はないし、まして格闘技になんて全く興味がない。だから、カメダだって最近まで知らなかったし、須藤元気なんてヤツだってこの本を手に取るまで知らなかった。
が、この子は面白い。なにしろ前向きで明るい。何でも楽しんでやろうという、素直でポジティブな気が行間から溢れ出している。
--旅への衝動はいつも突然だ。高校時代、ヒッチハイクで鹿児島まで旅に出て警察沙汰になったことがあるのだが(親族の間では「元気の大移動」と呼ばれている)その時は中間テストの前日にあだち充氏の傑作野球漫画『タッチ』を全巻読破した後にやってきた。
--「人生で大切なのは、本を読むこと、人の話を聞くこと、そして旅をすること」
以前何かの本で読んだこの言葉をふと思い出して、僕は旅に出ることを、それも一人でじっくりと自分自身と向き合える旅に出ることを、考え始めた。
そして、四国へ、遍路行脚へと元気に旅立つ元気くん。派手なパフォーマンスと八つに割れた見事な腹筋を持つマッチョ格闘家の、実は和み系の素顔が紡ぎだす旅路は、ユーモラスに展開していく・・・
こんなものを読むと、またぞろ旅への憧れがくすぶりだすなぁ・・・
←四国って・・・、いいところですね。
須藤元気・幸福論
須藤元気 著
株式会社ネコ・パブリッシング
平成17年10月25日 第1刷 発行
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