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『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』

秋の夜更けに、一人でゆっくり鑑賞するのにぴったりの作品。
Buena_vista_social_club“Buena Vista Social Club”は、ボトルネック・ギターの帝王ライ・クーダーと、キューバの老ミュージシャンで結成されたバンド。
名前の元となったのは、1932年にハバナに設立された会員制音楽クラブ。と言っても、社会の底辺で生きているような階層の、でも本当に音楽を愛している人々によって構成され、貧しいながらも週末には精一杯のお洒落をして音楽とダンスを楽しんだ場であったという。


キューバ以外ではほとんど知られていなかった隠れたミュージシャンにスポットライトを当てたのがこの作品の元になった同名アルバム。世界中で100万枚以上のセールを記録し、1997年にはグラミー賞を受賞。そして、映画ではハバナの情緒豊かな街並みを舞台に、ミュージシャンたちの人生の哀歓が情感豊かな音楽とともにフィルムに収められている。ラストを飾るNYカーネギーホールでの歴史的ステージも収められたこの作品は、「映画」というよりは音楽をメインにした壮大なオムニバスだ。

“老い”への入り口で戸惑っている私にとって、加齢というものは未知のおそろしげな世界なのだが、このラテン系ミュージシャンたちは、老いてなお魅力的に輝いている。ハッキリ言ってカッコイイ。歌姫オマーラ・ポルトゥオンドのセクシーな美しさときたら!

アホほど長い年月をただぼやーっと生きてきて、年のコトなんか考えたこともない私だけど・・。先月の誕生日、だーれも覚えてなんかいないその日のことを・・、足長おじさんみたいに、遠い空の彼方で覚えていてくれた人が世界にたったひとりだけいた。会うこともない人だけど、本当にうれしかった。このDVDは、今年私がたったひとつだけもらったBirthday Presentなんだ・・。

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