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バラに守られたワイン畑

バラ、たんぽぽ、菜の花、ひまわり・・四季折々花が咲き乱れる美しい葡萄畑。
Photo_2 葡萄畑の土作りから始まる、ワインをおいしくする秘訣の数々。
化学肥料や農薬に頼った栽培方法では美味しいワインになる葡萄は育たない。バラは病害虫のセンサーとして働き、タンポポは土壌の調整をし・・というような“コンパニオンフラワー”のチカラを上手く利用するなど、さまざまな智恵と膨大な手間ひまと細心の気配りで大切に育てられる葡萄。サントリー・山梨ワイナリーでのエピソードを中心に、ワインをおいしくするいろいろなヒミツを楽しく紹介した一冊。
著者は、前回の六甲山YMCA“マントルピースを囲む会”のゲストスピーカーで、私はあいにくと都合でお話を聞きそびれてとても残念・・・なのだ。

「自然の力を借りて葡萄を作る」という考え方のベースになるのは、「環境は複雑なほど健全化する」という生態学上の事実。多少の病原菌はその菌を殺す別の菌がいれば抑えることができるし、害虫もそれを食べる鳥や虫がいれば致命的なほど広がることはないそうだ。
人間を取り巻く環境だって実はその通りで、多少の病害虫が存在しても、それに抵抗できる豊かな生態系が保たれていた一昔前までの方が健全だっただろう。舗装によって土壌から隔絶され、エアコンで四季からもスポイルされ、汚物は水で即時に流し去り、除菌殺菌ワールドに暮らしているこの生活が健全だとは、極にゃみ的には到底思えない。

『バラに守られたワイン畑 』
草思社 刊  2000.1.26初版発行
山田 健 著  末木 久光 写真

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