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水都大阪・渡船巡りのプチ旅

水の都大阪には川が多く、特に大阪湾に面する下流域は複雑に水路が入り組んでいる。
0711030023そのため、かつては多くの“渡し”=渡船場が設けられ、人や物の往来を支えていた。

橋が架けられ、道路が整備されるに従い、それらは次々と姿を消していったが、現在も8箇所に渡船が残っており、地域の重要な交通機関として機能している。遠くまで見渡せる高架橋からの眺めはもちろん素晴らしいが、水面からの景観もまた水都にふさわしく、素晴らしいのである。

0711030026今回、4つの渡船を巡り、水都大阪ならではのランドスケープを楽しむツアーを企画した。
北加賀屋を出発し、工場街を歩くこと2km。木津川にかかる新木津大橋のたもとに「木津川渡船場」がある。
ここは、唯一の港湾局が管理する渡船。かつては大型トラックも積めるカーフェリーが就航していたらしい。

0711030031現在は人と自転車を運ぶ渡船で、48名(乗員2名含む)が乗ることができる。
定刻になると北岸を出発して、南岸へ。
乗降を終えたらそのままとんぼ返りで北岸へ。
乗船時間わずか2~3分、距離にして約260m。



0711030034高い新木津川大橋を見上げながら、水面からの眺望を楽しむ・・







0711030044中山製鋼所横から船町渡船場まで約1km、工場街を歩く。なんだか、“昔の近未来図”みたいな雰囲気の、まったく生活感のないエリアだ。祝日のためか、工場から何か稼動音は聞こえてくるが、人の気配はまったくない。
「華麗なる一族」などを話題にしながら歩く・・



0711030046次の「船町渡船場」は、船町から木津川運河を渡って鶴町までのわずか65m。



こちらは、大阪市の建設局渡船事務所が運営管理している。


0711030050 お天気がよいせいもあり、水面を渡る風が心地いい。
あーっと言う間のショートクルーズ?を楽しむ・・
意外と水がきれいでびっくり。季節によっては渡り鳥の姿も見られるそうだ。




0711030055鶴町を1.5km歩いて次の「千歳渡船場」へ。大正内港にかかる巨大な「千歳橋」のたもとに乗船場がある。
貸切状態だった「木津川」、自分達以外には数名しか乗船しなかった「船町」と異なり、かなりたくさんの方々が利用されているようだ。


0711030058大正内港と尻無川の合流点にあたり、北側方面の対岸には弁天町の高層ビルが見える。
広々とした景観が非常に美しい場所だった。





0711030061対岸から渡船が到着し、向こうから渡ってきた人々が降りると、整然と並んでいた人々が乗船。
地元の方はほとんどみんな自転車だ。





0711030076船上からの眺望もこの「千歳」が最高だった。
おりしも日が傾いて、西の空が日暮れ時のたそがれ色に染まりつつある・・・





0711030073「なみはや大橋」の下へと日が沈む・・









0711030084ついに日没。
大正区の大浪通りから本日最後の渡船場、「甚兵衛渡船場」を目指して歩く。距離にして約1.5km。






0711030096「甚兵衛渡船場」。
対岸は港区だ。しばらく待って乗船した頃、しずかに夜の帳が下りてきて、暮れなずんだ川から街の明かりがキラキラと輝いて見えた。





0711030106 最後は、夕凪から九条新道までバスに乗り、九条の商店街を抜けて安治川の「源兵衛渡」へ。ここは渡船はすでになく、自転車ごと乗れる大型エレベータで川底を通るトンネルまで降り、歩いて対岸へ・・またエレベータで地上へ、というところ。日本初の「沈埋工法」によるトンネルとしても知られている。


0711030104安治川は船の往来が非常に多いため横切って通る渡船の運行が困難で、しかも大きな船が通るために橋を架けるのも無理、ということで昭和初期に全国でも類を見ない河底トンネルが計画された。昭和10年に竣工し、戦時中に供出された鉄材までも投入して昭和19年に完成。かつては車両用エレベータもあったらしい。
渡船もそうだが、この安治川トンネルでも、利用者が乗降の際、口々に係員に「ありがとう」と声をかけているのがいい感じだった。

■コース/大阪市営地下鉄・四つ橋線北加賀屋駅・・徒歩→「木津川渡船場」→「船町渡船場」→千歳渡船場」→「甚兵衛渡船場」→夕凪バス停・・市バス→九条新道・・徒歩→「安治川トンネル」・・徒歩→JR大阪環状線・西九条駅
■トータル歩行距離8.2km、所要時間約3時間

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