『パラサイトの教え』
ナニゲに花粉の気配を感じているのは私だけ?恒例春の花粉症の季節が近づくと、藤田紘一郎さんの著書を思い出す。“寄生虫博士”である藤田先生によると、寄生虫を排除してから人々はアレルギーに苦しみ始めた・・そうである。“不潔”を徹底して忌み、寄生虫や細菌を生活の中から排除し、無菌ルームのような環境で生活している現代の日本人は、だからいろいろおかしいのだ、少年の凶悪犯罪も、育児にキレる母親も、いじめに走る子どもたちも・・・。
農薬がたっぷりかかった虫も食べない野菜や、抗生物質漬けの肉、そして添加物まみれの加工食品を食べ、身の回りのものは何もかも抗菌仕様で、殺菌剤入りの洗浄剤でからだを洗って・・
本来、生態系の中で細菌や寄生虫も含めたいろんな生物と折り合って生きてきたはずの人間を“無菌培養”するのは不自然・・ということがよくわかる一冊。
「山川草木国土悉皆成仏」・・・すべての存在に意味がある。別に人間だけが特別なワケでもなければエラいわけではない・・、ってことをもう少し自覚しようと思う。
「パラサイトの教え」
藤田紘一郎 著
新潮文庫 刊
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