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ジャンクフードと闘う農民たち

手錠をかけられた両手を高く差し上げ、笑みを浮かべる髭面の男・・・
Photo1999年8月、南フランスの小さな町ミヨで、建設中のマクドナルドを農民たちが襲撃するという事件が起こった。危険な米国産ホルモン肥育牛肉の輸入を拒否したEUに対してアメリカが強引な報復措置をとったことに反対する農民たちが、ジャンクフードとアメリカの象徴であるファストフード店を標的にしたのだ。実際には「襲撃」というより「一部解体」で、バカンスのさなかに行われたお祭り騒ぎ。子どもたちも一緒になって数枚のドアや間仕切板、屋根材などを剥がして車に積み込み、歌いながら市街地を行進した。この事件をきっかけに、一躍有名になった「農民同盟」のボヴェと、その盟友デュフールへのインタビューをまとめた一冊。

狂牛病を生み出すような酪農システム、遺伝子組み換え作物や集約的農業など、大規模資本が牛耳る、「本来の農業」からかけ離れた「工業」的な効率主義農業を厳しく批判。
食を「文化」ととらえるフランス人と、手間も時間もかからないファストフードやTVディナー(前菜からメインディッシュまでをパッケージした冷凍食品)が素晴らしいと思っているアメリカ的な価値観の対立構造という風に読み解くとおもしろい。

「美味しくて安全な“まともな食”のためなら便利さなんかくそくらえだし、手間や時間がかかってもそれは文化であって、大切にすべきこと」・・っていうフランス人の価値観は、よく考えるとすごくまっとうだ。イタリアの片田舎・ブラで始まった“スローフード”運動も同じことだが・・
戦後、アメリカ的なものに完全洗脳されちゃった日本人は、大量生産・大量消費というスタイルを賞賛してきた過去を持ち、今現在も便利さや効率に価値を感じるようにプログラムされているわけだけど・・・
来歴のわからない食品を単に安いからとありがたがったり、“規格に基づいてるんだから”って理由で安心したり、お湯かけたりチンするだけで食べられて便利、って思うような価値感、ちょっと見直してみてもええんとちゃうか?って思った。
極にゃみ的には、ジャンクフードも実は意外と好きだったりとかするんだけど・・やっぱ思想的に認めちゃダメだろう。耳新しい“毒入り冷凍ギョーザ事件”なんかはまさにひとつの警告として受け止めるべき出来事なワケで。

『地球は売り物じゃない! -ジャンクフードと闘う農民たち-
 ジョゼ・ボヴェ&フランソワ・デュフール』

株式会社紀伊国屋書店 刊
2001年4月 初版第1刷 発行
新谷淳一 訳

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