六甲山花便り(4月)
市街地では初夏も間近という趣きだが、六甲山上はまだまだ春爛漫。林床で咲いているのはケシ科の「ムラサキケマン」。切れ込みの多い葉も独特で、個性的な花。スミレと同じで、アリを誘引する“エライオソーム”という物質によってタネを運ばせる知能派だ。
そろそろ開花を始めるのが「モチツツジ」。春を告げるかのように早春から咲くコバノミツバツツジと対照的だ。
この蕾に触れてみると、ねばねば・もちもちとした感触で、その名の由来がよくわかる。「アケビ」の花はあいかわらず至るところで咲いている。
こんなにたくさんあるのに、秋になるとなかなか実がみつからないのは、誰かがお先にイタダイちゃってるんだろうか・・アケビよりひと足遅れて咲き始めるのが「ミツバアケビ」。
花の形はとてもよく似ているけれど、シックなワインカラーが大人っぽくて、なんとも魅惑的な花。
アケビの葉が5枚くらいなのに対してこれは名前のとおり3出複葉だ。 “実”ものでは、苗代を作る頃に実るということで名前のついたグミ科の「ナワシログミ」。
甘酸っぱくて美味しいのもあるけど、しぶーいのも・・・樹木では、スイカズラ科の「ウグイスカグラ」。
シックなピンク色の可憐な花をうつむき加減に咲かせている。山麓から山上エリアまで、まだまだ“スミレの王国”なんだけど、今日初めて「エイザンスミレ」を発見。
切れ込みのある葉が独特・・ヒゴスミレの可能性もあるけど、葉の形状からしてエイザンっぽい?林床でひっそりと咲いているのはカタバミ科の「ミヤマカタバミ」。
真っ白の花と明るい緑の葉が清楚な印象で、“山の貴婦人”って感じ・・・
名前の割に、べつに深山ではなく六甲山あたりに分布するので、実は案外庶民派なのかもしれないけれど・・今日一番存在感があって華やかだったのはユリ科の「ショウジョウバカマ」。花を咲かせるのだからもちろんタネを作るのだが、実生で増える以外に、葉の先から自分のクローンも作っちゃうという不思議な生態を持っている植物だったりもする。
ヤマザクラ、タムシバ、クロモジ、コバノミツバツツジもまだまだ見頃。花の六甲山へどうぞ~
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