『初女お母さんの愛の贈りもの』
岩木山麓で「森のイスキア」を主催されている佐藤初女さんの本。龍村仁監督の『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第二番』で一躍有名になられたが、私がこの素敵な女性のことを知ったのは映画ではなく、はるばる青森まで初女さんに会いに行ったことがあるという大川則子さんとの会話だった。その頃の彼女はまだきわめて健康だったと思うのだが・・
苦しみを抱えて訪れる人々をただひたすらに受け入れる「森のイスキア」。初女さんに話を聞いてもらい、初女さんの手料理を食べ、それだけで人々は癒されるようだ。そんな不思議な力を持つ初女さんの、食べものに対する思いを綴った一冊。
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私は「面倒くさい」という考え方自体が嫌いです。料理には決まりがありませんから、どこまでも手を抜き、簡単にすますことができます。しかし、それではこころを満たす料理にはならないのではないでしょうか。目を配り、手間をかけ、こころを尽くしてつくったものだからこそ、本当においしい料理ができますし、人と分かち合って食べる喜びも大きいと思います。また、毎日の食事をそのようにつくる人は、きっと人に対してもこころを尽くして接するのではないでしょうか。
台所はいのちとふれ合う身近な場所です。かぼちゃやじゃがいも、ほうれん草にふきのとう、さまざまないのちがささやく物語に耳を澄ましてみると、たくさんの大切なことに気づかされるのです。
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食べることの大切さ、食べものをたいせつに扱うこころ・・初女お母さんの慈愛が優しく表現されている。炊きたてのご飯で作ったおむすびを食べたい~。そして私も、ひとのこころをあたたかくする食べものを作れるようになりたい・・
『初女お母さんの愛の贈りもの』
佐藤初女 著
海竜社 刊
2002年9月 初版発行
★オマケ・・初女さんのおむすびの作り方。写真は裏表紙。美味しそう~・・ 炊き上がったご飯は、しゃもじを立てて切るように、空気を含ませるようにしてほぐします。
熱々のご飯ですから、このままはにぎれませんし、形をそろえる意味で、いったん小鉢やお茶碗で型をとります。
この型をとるのも、ご飯をギュウギュウ押しつけるのではなく、ふんわり盛るのがコツです。
しゃもじでご飯をそぐようにすくって、そっと小鉢や茶碗に入れ、平らにならしてください。
しゃもじを返して、上から押しつけたのでは、せっかくふんわり炊き上がったご飯が台無しです。
ご飯の真ん中に、梅干しをちょんちょんとおいていきましょう。
梅干しは大きさにもよりますが、三つくらいにちぎって種を外します。
にぎるときには、水の中に手をくぐらせてから、よく水滴を払います。
そして手に塩をうっすらまぶしてにぎっていきますが、手に水をつけるのはこのときだけです。
「ご飯粒が手についてしまいませんか」
と、よく質問されますが、これが不思議なことに大丈夫なのです。
二つ目をにぎるときには手にまぶした塩がとけて、おむすびの表面を覆ってくれます。
三つ、四つ、五つ、と握っていっても、ご飯粒はつきません。
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