『美味しさの力』
「永田農法で作った野菜はケタ違いに美味い」という話は聞いていた。それが肥料や水を極限まで減らして育てる「スパルタ農法」と呼ばれる変わった方法だということも。が、イマイチよくわからなかったんで、この本を読んでみることにした。
口絵には毛の生えたマッチョなトマト、トゲだらけのこわもてナスビなんかの写真。そして、このユニークな農法を生み出した天才農業家・永田照喜治(てるきち)さんのプロフィール、永田農法が確立されるまでの経緯、いろいろなところで実践されている事例などが詳しく紹介され、この驚異的な農法の概要を効率よく理解することができる一冊だ。
これを読むと「有機農法による露地栽培が最高」っていう自然志向の人にありがちな“思い込み”は完全に破砕される。なぜなら、永田農法では化学肥料を使用するし、トマトなどはハウス栽培だ。そのほかにも、“思い込み”による常識が次々と覆されることばかり・・本当に必要なことは、植物が潜在的に(自然に)備えている能力をうまく引き出してやること。生き物としての生命力を最大限に活かせる環境にしてやること。うーん、なんだか農業に限ったハナシではないような・・
ともかく、毛むくじゃらのでこぼこトマト、食ってみたいなー。
『美味しさの力』
PHP研究所 刊
永田 照喜治 著
(飯田辰彦 企画・構成)
1998年10月 初版第1刷 発行
★極にゃみ的読み① 有機農法は本当に“よい”のか?
★「緑の野菜は健康にいい」は幻想?
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