6月の大谷庭園
西宮市大谷記念美術館にて。水無月の庭園を彩る花々・・万葉の昔から親しまれてきた「ノカンゾウ(野萱草)」。
華やかな色なのに、猛き夏草に埋もれて咲く姿はなんだか控えめな感じを与える。ヤブカンゾウが八重なのに対してこれは一重で、素朴な風情。「わすれ草」という別名もあるとか。何を忘れるんだろう。線香花火のような円錐花序を伸ばしているのは「ニワナナカマド(庭七竈)」。バラ科の落葉低木で、中国北部原産、別名「珍至梅(チンシバイ)」とも。
近縁の「ホザキナナカマド(穂咲七竈)」との区別はよくわからない。 この季節の主役はやはり紫陽花。
一番よく見かけるのは「セイヨウアジサイ」だけど、実は原産地は日本。西洋に渡って品種改良されて“手鞠咲き”といわれる華やかな姿に変身。花言葉は「移り気」・・同じ紫陽花でも、より原種に近いのが「ガクアジサイ」。花びらのように見えるのは実はガクで、これは“装飾花”。小さな小さな粒々が本花なのである。
極にゃみ的には装飾花を全く持たない「コアジサイ」が一番好きなんだけど・・2mほどの高さになり、個性的で存在感溢れる花を咲かせているのは「アカンサス」。キツネノマゴ科の植物で、地中海沿岸から小アジア、熱帯アフリカが原産の多年草。
古代ギリシャのコリント式建築の装飾モチーフに用いられたことで知られている。古代の人にとっても強烈な印象があったのだろう。和風の庭園にもマッチしてしまうところがとても不思議で面白い。
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