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『身土不二の探求』

東洋の叡智とも言える思想「身土不二」とは、Photo 「身体(身)と環境(土)とは不可分(不二)である」という意味で、人間と大地は一元一体であり、人間も環境の一部分なので、その土地で自然に産するものを食べることがさまざまな意味で合理的であるということを示している。近年の概念だが、「フード・マイルズ」という考え方にも完全に合致する。
日本の農業において大きな転換点となったのは、1961年に制定された「農業基本法」の「選択的拡大」。“農”という自然が相手の生業では、気候風土をはじめとする地域に固有の事情を優先すべきであるのに、欧米のスタンダードや工業的発想で法整備をしようとしたところに問題が潜んでいたと筆者は指摘する。
現在日本は食料自給率において先進国中最低レベルにあるが、国内で生産して不足するから輸入しているのではなく、政策的に農地を放棄させ、水田にいたってはかつての三分の一までも減反させてわざわざ遠い地球の彼方から食料を輸入しているのである。遠方から運んでくるということは、化石資源を消費するばかりではなく、農薬の使用、さらに長距離輸送のためにポストハーベストの必要性が生じるため、安全面でも問題がある。
著者は、「地産地消」「地域自給」のシステムを再構築することが近い将来現実となるであろう食糧危機からこの国を救う切り札となり、かつ安心安全な食の確保、つまり自らの“健康”を確保するための重要なポイントであると指摘している。
結びの部分から少しだけ引用する。

 結局、それぞれに身のまわりの環境と農と食を守っていく以外に道はない。そして、それをやるのは自分である。自分が変われば世の中が変わる。自分が変わらないかぎり世の中も変わらない。すなわち「身土不二」である。

『身土不二の探求』
山下惣一 著
創森社 刊
1998年11月 初版発行

10年前に書かれた本だが、極にゃみ的には、今まさに読まれるべき一冊であると思う。

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