ごろ石で作れるソリッドアンカー「石八」
河原などにごろごろしている岩を使って構築する強固なアンカー「石八」。元々は石工さんが大きな庭石などを運搬するときに使用した方法だという話だが、要は石ころの巨大ラッピング(?)。
ロープを重量のある岩に8の字型に巻きつけてアンカーとするという方法である。
わかりやすくするために模式で説明すると・・まず、ロープの一方の末端でパワーポイントにするループを作る。結び方は「ダブルフィギュアエイトループ(※)」。充分な余端を出して二重のループを作り、アンカーにしたいポイントに置いて、対象物にロープを巻きつけていく。
8の字の手前半分を巻いたら、適当な長さで“手”を二つ折りにし、ひとひねりしてパワーポイントのループに通す。クロスした状態でループに通し、8の字の向こう半分となる部分を対象物にかける。引っ張られても外れないような位置に回して緩みなく締めるのがポイント。
この写真では、メインのループの中でクロスしている“手”の、左下の余端側を引いてしっかりとフィットさせる。緩みなく巻いたら二巻き目に入り、一巻き目の前半の8の字に沿って、同じように巻いていく。
1回目と同じようにクロスさせた状態でメインループに通し、8の字の残り半分を巻き、二巻き目を完成させる。以下同文にて、合計4回くらい巻き上げる。
“手”(余り側)の適当なところを二つ折りにし、4方向に出ている8の字の根元に巻きつけていく。
4本全部に巻きつけたら適当に末端処理を施し、これで石八の本体は完成。
最後に、すっぽ抜け防止のため「8の字」の上の輪と下の輪を左右それぞれにスリングなどで連結してできあがり!
対象とする石の大きさにもよるが、3名くらいで作業すると効率よく素早く構築することができる。ポイントとしては、
①巻き始めに、メインのループが動かないように決めた位置で誰か一人がしっかり押えておくこと。
②荷重のかかる方向をきっちり見極めて、適切な方向にループを出すこと。方向がズレていると特定の部分だけにテンションがかかってしまう。充分な重量があれば、ロープ強度と同等のソリッドなアンカーを構築することができるので、斜張りなど強い張り込みをすることが多い沢のレスキューでは必須の技術であろう。
※ダブルフィギュアエイトループ・・ココ!
★斜張りについてはまた・・
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