『進化しすぎた日本人』
「今どきの若者」の奇妙で無礼で傍若無人な行動、世間を騒がせている発作的、かつ凶悪な驚愕的事件の頻発、・・(略)・・それらのすべてを動かしている人間の行動は、じつは生物としての基本原理からほとんど外れていないのである。(前書きより抜粋)
タイトルからも、いささか煽りモードの前書きからも、いったい何が書いてあるんだろう???ととっても興味を持って手にした一冊。
長年霊長類の研究に取り組んできた著者が、動物行動学などの観点から、現代の日本に内在している諸問題を解き明かしていくという内容。
行き過ぎた「少産多保護」や「清潔志向」など「自己家畜化」の弊害が多方面に現れていると指摘。
例によって超大雑把にバクバク要約しちゃうと、絶滅への道をひた走っている(?)日本の現状を食い止めるためには、
「人間も生物であるという基本原則を忘れず、少しずつでもよいからできるだけ生物らしく行動するのがよい。」
とのことである。具体的には、歩ける距離は歩く、簡単な計算は暗算か筆算、短い文章は手で書く、本を読むなら音読(?)、故障した道具はできるだけ自分で直して使う、くくっちゃうと「いくつか選択肢があった場合にはほんの少し厳しいものを選ぶこと」だそうである。うーん・・ミミが痛い。
『進化しすぎた日本人』
杉山幸丸 著 中央公論社 刊 2005.9初版発行
コミュニケーションの重要性を説いた章で、Eメールはコミュニケーションツールとしては不適切、というような指摘があるが、それはちょっと違うと思う。極にゃみ的には、無機質なテキストデータの中からだって、読み取れるものはたくさんあると感じている。だからこそコワいのだけれども・・
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