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『蔦かずら』

最近小説はあんまり読まないのだが・・美しい装丁に惹かれて久々に読んだのがコレ。
Photo8つの作品が収められた短編集で、「夜の雲」「半衿」「柚子」「苫屋」「野分」「半夏生」「松虫」「古萩」と、羅列された気品あふれるタイトルだけでもそそられるものがある。
いずれの編も、主人公は朱夏を過ぎ白秋へと向かいつつある女性。大切な人との別れ・・唐突な死別もあり、裏切りもあり、さまざまな“事情”の中で、彼女たちの哀しみ、そして静かな諦念が端正な筆致で淡々と綴られていく。
無自覚なまま若さという期限付きの魅力を失効し、老いという未知の世界に向かい合わねばならない孤独にふと気づく心細さ・・美しい物語の向こう側に、自分という現実を垣間見てしまった。

『蔦かずら』
鳥越 碧 著
講談社 刊
2002年1月 初版発行

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