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『ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ』

書評に曰く「現代の人気作家九人が新たに織りなす、もうひとつの源氏物語。」
Photo_2末摘花が奏でる琴の音を聞いた光源氏が、
「もっと聴きたいんだけど。っていうか、向こうの部屋で聴きたい。襖越しだと音がミュートされて、よくわかんない。向こうの部屋で聴いていいかな」
なんて言い、それに対して命婦が
「でもどうでしょうか。こういう貧乏な生活してるから服とかもあれだし、今紹介するって向こうに逆に悪い感じがするんですけど」
なんて返すって町田源氏はちょい違和感ありすぎ・・ってーか、貴公子なのにすんごい下品なんですけど。

金原ひとみさんのは、イマドキのワカモノカップル。出産後、産院に赤ん坊と入院している葵が、夜中に不安感に耐えかねて光にメールを送る。
「ねえ悲しい。どうしたらいい?早く光のところに行きたいよ」送信後ほんの数分で、携帯は震えた。良かった起きてたんだと思いながら光からのメールを開く。「俺も早く会いたいよ。どうしたの?眠れない?」
 ・・・・雰囲気わかるんだけど、なんかびみょー・・。

光源氏って、ワケありだけど究極のセレブリティで、しかも類稀なる魅力の持ち主って設定なんだよな、原作では。そこんとこ、どーなってんだ。

で、やっぱり一番すごいなーって思ったのは桐野夏生さんの「柏木」。
六条院(光源氏)が身罷ったのち、正妻であった女三の宮が昔語りをするという設定で、彼女から見た源氏との関係がなんとも面白い。宮は14歳で40歳の光のところへ降嫁しているので、すごく歳が離れている。そんな宮にとって光源氏は、出来すぎててけっこうヤなオヤジなんだよな。

『ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ』
江國香織 角田光代 金原ひとみ 桐野夏生 小池昌代 島田雅彦 日和聡子 町田康  松浦理英子 著
新潮社 刊  2008年10月 初版発行

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