『明るい食品偽装入門』
不二家、ミートホープ、白い恋人に赤福、 高級料亭の吉兆からお安いけど殺虫剤入りの中国ギョーザ・・耳新しい食品偽装事件は数限りない。
食文化研究家の魚柄仁之助氏(すごいペンネームだ・・)による、家庭で手軽にできる食品偽装の手引書だ。カツサンドならぬカスサンド、ゴボウの蒲焼、マツダケごはん(待つだけ?)・・・ニセモノなんだか、ホンモノなんだかよくわかんないけど、おいしそーで面白いメニューが目白押し。
部分的に抜粋。
自給自足経済であれば、「ダマ」す相手がいないので、誰も偽装なんざする必要はない。
素材状態のホーレンソウを「これは小松菜ぢゃ」と言われても、見りゃわかる。しかし野菜炒めになっちまうと、なかなか違いはわからんのです。
現代のニッポン人は自分の食事を手作りしなくなった。かつて「安全な食べもの」を求めて作られた生活協同組合も、時代の流れにおされ「手軽で安い」ものを求めてしまった。
ミートホープの社長や飛騨牛偽装会社の社長の記者会見を見て、識者と言われるコメンテーターの方々は、「消費者をバカにしている」「モラル・品格が疑われる」などとキビシーことをおっしゃっていた。なるほど、品格なき発言・態度ではありましたが、彼らをそうさせたのは、安いものを求め続けてきたわれわれ消費者だったんじゃーなかろーか?「お前らがより安く・・って求めるから、それに応えただけ・・・」と言ってるように思えてならんのです。
そうですねー。工場で作ったものを食べてる異常ってもっと考えるべき。タベモノを工業製品にしたから問題がいっぱい起こる。それに、モノに真っ当な対価を払いたくないというのは、やっぱり何か間違ってると思うなぁ。
外交政策の人身御供として田んぼを殺し続けてる国も国だが、原料コストを下げるために外国産の食材にどんどん手を出して日本の「農」を追い詰めてる食品メーカーだって・・どっちもどっち、ってーか、それを選択しているのは結局我々国民なワケだよな。
『明るい食品偽装入門』
魚柄仁之助 著
サンガ 刊 2008年9月 初版発行
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