« きらきら★京あめ | トップページ | 咲かぬ先に・・・ »

C.W.ニコルの世界『自然記』

黒姫山の麓に住み、自然の恵みを豊かに享受しながら暮らしているPhoto ニコルさんのエッセイ。北極で、エチオピアで・・都市生活しか経験したことのない標準的な日本人からすると想像を絶するサバイバルな体験をたくさんしてこられた著者による、心躍る冒険譚が満載の一冊。
一部抜粋・・・

 日本の文化は、木と水からつくりだす製品の上に成り立っている。だから、木を切った後に木を植えるのは当然なことだが、落葉樹も等しく植林すべきだ。落葉樹は概して硬質で、品質が優れ長持ちする。経済的な理由からは生長の早い針葉樹が便利でも、これだけは絶対にただす必要がある。
 この原稿を書いている書斎の窓から見晴らす木立には、クリやブナ、野生のサクラ、ナラ、シラカバが混生している。強くて丈夫そうな木がよりよく育つように、私が手を入れた。刈り込んだ枝は、冬の間わが家を暖め、キノコを育ててくれる。春には野生のサクラが、甘い小さなサクランボをつけ、鳥たちがついばみに集まって来る。
 春と夏は、鳥のさえずりがあふれる喜びの季節だ。
 森のおかげで、私の住まいは夏は涼しく冬は暖かい。森は、果実やキノコを与えてくれる。森の中でノバトやキジやノウサギが暮らし、私がそれを捕って味わう。森は流れを守り、そこから私たちは魚と清水をもらう。森は私に、安らぎと清浄な大気と歌をくれる。
 森はあらゆるものが複雑に絡みあった、ひとつの豊穣な総合体として息づいている。私は、森の一部だ。
 森が死ぬときには、私たちも死ぬだろう。

『自然記』
C.W.ニコル 著
河出書房新書 刊
2001年10月 初版発行(初出:1986年 実業之日本社)

南ウェールズ生まれのこの作家が「日本の森を、ふたたび野生動物の棲める豊かな森に戻したい」と私財を投じて財団を設立し、森の再生に力を入れていることはもっと知られていいと思う。
★(財)C.W.ニコル・アファンの森財団HP・・・ココ!

|

« きらきら★京あめ | トップページ | 咲かぬ先に・・・ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« きらきら★京あめ | トップページ | 咲かぬ先に・・・ »