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あなにやし えをとこを

桐野夏生さんの小説「女神記」を読んだ。Photo 大八島(おおやしま=日本)の国生みをともになしとげた男女の神様、神伊邪那美命(いざなみのみこと)と神伊邪那岐命(いざなきのみこと)。淡路島からはじまり、次々と国土を生み、八百万の神々を生む中で、火の神を生んだ時に火傷を負って亡くなってしまったイザナミ・・・
男女の根源的な愛と憎しみを綴るわが国の神話をテーマに書き下ろした桐野流の新・神話。どうして憎しみというものが生じてしまうのだろう。避けることのできない宿命なのか・・

イザナミ様が仰った言葉・・を抜粋。

 『天と地。男と女。生と死。昼と夜。明と暗。陽と陰。なぜふたつに分かれたかと言うと、ひとつだけでは足りない。ふたつがひとつになって初めて、新しいものが生まれることがわかったからだよ。また、ひとつの価値は、対極にある価値によって際立ち、互いがあることで意味が生まれるからなのだ。』

『女神記(じょしんき)』
桐野夏生 著
角川書店 刊
2008年11月 初版発行
※装丁は日本画家・加山又造氏の「花明り」

それにしても・・わが国の神話は面白い。
ここに其の妹伊邪那美命に問ひたまひけらく、
「汝が身は如何にか成れる。」ととひたまへば、
「吾が身は、成り成りて成り合はざる処一処あり。」と答へたまひき。
ここに伊邪那岐命詔りたまひけらく、
「我が身は、成り成りて成り余れる処一処あり。故、此の吾が身の成り余れる処を以ちて、汝が身の成り合はざる処に刺し塞ぎて、国土を生み成さむとおもふ。」
 ・・ううーん?ある意味合理的?

だけど、
「んじゃ、生んでみる?」って話になって、イザナミ様が
阿那邇夜志愛袁登古袁(あなにやしえをとこを=なんてすてきな男!)」と先に声をかけたからできそこないの神が生まれちゃって、んじゃ仕切りなおしってことで、今度はイザナキ様が先に
阿那邇夜志愛袁登売袁(あなにやしえをとめを=なんてすばらしい女!)」と声をかけて“やりなおし”たらちゃんとした国が生まれた・・ってのはいったいどうよ。バレンタインデーにやればよかったのかねぇ。

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コメント

面白いですねぇ。

言霊ってあると思います。

唱和してみましょう・・・

今日、たまたまイヤシロチについて考えながら歩いていたのです。
清められる場所ってあるなと。
ことばもまた・・・


ありがとうございます。

投稿: にゃみにゃみ。 | 2010年12月27日 (月) 18:27

天地の唄(の天)

♂あなにやし。ゑ乙女を。
♀わなうれし。ゑおとこと

あ+わの歌。天地の根元の歌(天のアワ唄)。ホツマツタエに記載されている由。

ヘブライ語の空耳アワーでは「あなにやし」は「私は結婚する。」の意味になる由。

記紀でのナギ、ナミともに「あなにやし」は呪術的、言霊的には間違いでこれでは事は成就しません。(恣意的に改変の疑い)

「地のアワ唄」は最も古い清音で構成された48音。(イロハ唄やひふみ唄の原型とも)
イザナギとイザナミが民の言葉と世の中乱れを憂い
正しい言葉(神言)を伝える事で天下の乱れを糺した云々。(ホツマツタエ)
また、イザナギ、イザナミが初めて田植えを為さった際にハモリながら唱和為さった云々とも

[神言]あわのうた

♂)あかはまな〜♪ いきひにみ〜うく
ふぬむえけ〜♪へねめおこほの〜
♀)もとろそよ〜♪
おてれせえつる〜
すゆんちり〜♪
しいたらさやわ〜♪ 

コレは神様に捧げる祝詞(太祝詞事)であり、場と人々を清める祓でもあります。
不思議と雰囲気と気持ちが清らかになります

投稿: たぬき | 2010年12月27日 (月) 17:56

八百万の神様・・・というところが日本的なんだろうけど・・・。
とくに自然って、神々が満ちている・・って感じるよね。ホント。

投稿: にゃみにゃみ。 | 2009年4月 8日 (水) 23:08

でも、話言葉のひとつひとつまで神が宿ると言う八百万の神って発想は、自然と共に生きてきた日本人の大切な文化ですよね。

山に行くようになってから、リアルに感じてしまうこの頃です。

投稿: 銀杏 | 2009年4月 8日 (水) 22:57

“とおりすがり2”さん、こんばんは。

期せずして黄泉の世界のものとなってしまったイザナミの絶望や哀しみをわかろうとせずに逃げ出すイザナキ・・・

それに対して、
「それなら、あなたのくにのひとびとを、日に千人殺す」という捨てゼリフを投げるイザナミに向かって
「それなら1500の産屋を建てよう」というイザナキ。

すでにすれ違っている。答えになってない。そんな答えがほしいんじゃない。私は、そんな“絶望”を何度も経験しているからわかる。そんな返答を聞いたイザナミの絶望を思うと・・・

アマテラスは、そうだ、イザナキの単為生殖から生まれたんだった。
だから、・・・・そうなんだ。やだな。

投稿: にゃみにゃみ。 | 2009年4月 8日 (水) 22:04

イザナミ神は、癌を患い死後の世界へ旅立つ。
愛しい妻イザナミを忘れられない夫のイザナギ神は、
死後の世界へと妻イザナミに会いに行く。
妻に見ないで欲しいと懇願されたにも拘らず、
夫は覗き見をしてしまい――
「みたなあ~~」その朽ちた姿を見られたイザナミは
激怒してこの世に逃げ帰ろうとするイザナギを殺そうと追いかける。
夫イザナギは、死後の世界と現世の境界にある黄泉の坂道を「大きな岩戸」で塞ぐ。
これが後の”天の岩戸”伝説の原型。
妻イザナミは
「いとしい夫よ、あなたがそのような事をなさるなら、あなた
の国の人々を一日に千人ずつ殺してやりましょう。」
夫イザナギは、
「いとしい妻よ、お前がそんな事をするなら、一日に千五百人
の子供を生ませよう。」 と。
人を殺そうとするイザナミは、悪の枢軸。
神々をも産み、人を育てようとするイザナギは、善良なる元神。
天照太御神は、イザナギから産まれる。
 
 怖いのは近年この“天の岩戸”― 今、少しずつ開かれ始めているってこと。
イザナミ神はチャンス到来とばかりに、前出の約束を果たすべく
暴れだした=善と悪の世界戦争勃発
驚くべきはイザナミもイザナギも根源の存在から産まれたってこと。
二人は人間の進化選別のための任務を演じてる。
ちなみに、イザナミの居る場所は・・・・ ”月”。
イザナギは・・・・オイラには見えない、何処にいるのか~~

投稿: とおりすがり2 | 2009年4月 8日 (水) 18:18

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