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『カムナの調合』

読み始めてから気づいたけど、前にもいっぺん読んだ・・(←よくあるできごと)
Kamunano_takuki大陸から密航してきた中年男女がもたらしたものは、突然発狂して周りの人々を無差別に襲うという恐ろしい病原菌(?)。生物兵器、カルト信仰・・怪しい要素をおもいきりちりばめた小説。
作者は、前作を書いたときに出版社の上層部から「カルト集団が秘密研究所で生物化学兵器の研究をしているだなんて、いくら小説でもリアリティがない」と評されたとか。それにもめげず?本作を執筆していたら脱稿する直前に「あの事件」・・“尊師”率いるアノ教団がサリンをばら撒いたあの事件が勃発。今度は「あまりにも似すぎていて、オウム事件をモデルにしたとしか思えない」状況になってしまったのだそうだ。

「・・(略)・・やがて、そうした理性すらをも超えた、より大きな存在への帰属意識が、陣市の精神を昇華させていった。」

薬草や茸を調合し、思いのままの薬を作り出す“山の民”が暗躍するストーリー。神という概念に近い、自然そのもの・・自然に同化することによって“大きな存在”にアクセスできる、という考え方(信仰?)。

漂泊する山の民を扱った小説はいろいろあるが、自然を離れ、人工的な環境に身を置くしかない近代人は、自然と同化しながら暮らすことに本能的な憧れを抱くのかもしれない。

『カムナの調合』
たくきよしみつ 著
読売新聞社 刊
1996年3月 発行

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コメント

私は、早めに買った種をまた買ってしまうことがよくあります。

投稿: ツボ | 2009年9月 3日 (木) 21:30

あー、ありそう。

でも、読み終えた本を所蔵庫に収めようとして
同じ本が3冊並んだときには、
「若年性痴呆症?」って言葉が頭をよぎりました。
20年前の話ですが。

今なら若年性じゃないから、ふつーの痴呆症?

投稿: にゃみにゃみ。 | 2009年9月 3日 (木) 21:58

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