『禁断のパンダ』
第6回「このミステリーがすごい!」大賞(2007年)受賞作品。なんだかみょーなタイトルだけど・・パンダは、動きも鈍そうだし、のんびりとササを食ってるだけの典型的な草食動物ってイメージだが、分類上は「食肉目」で、じつは鋭い歯を持っているのだとか。この本の中で語られるエピソード・・その昔、肉食獣だったパンダは、神の怒りに触れることをしたために肉食を禁じられ、せっかく肉を切り裂いて食べることのできる歯をもっていながら、タケやササしか食べることができなくなってしまった・・・
神戸でちいさなビストロを営むコウタという若いオーナーシェフが主人公で、ハーバーランドなどが舞台となっている。レストラン評価で絶賛されている「キュイジーヌ・ド・デュウ」での食事風景などグルメ小説かと思って読み進むと・・・あぁ~、この本、ミステリーだったんだ。って感じ。
書き手のキャラがそのまま投影されているのではと思われる主人公をはじめ、文体的にも好感度が高い和み系の小説っぽいんだけど、結末がとんでもなかった。
極にゃみ的には、草食系でいいです。
『禁断のパンダ』
拓未 司 著
宝島社 刊
2009年10月 発行
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