映画『アイガー北壁』
アルプス登攀史上最大の悲劇と言われる実話を基に描かれた映画『アイガー北壁』を観た。グランドジョラス、マッターホルンとともに三大北壁と呼ばれているアイガー北壁は、標高3975mのピークに向かってそそりたつ1800mの切り立った岩壁。
ナチス政権下にあった1936年、国威発揚のためドイツ人による未踏壁の初登攀が期待されていた。そんな中、ドイツ人とオーストリア人の2パーティが前後して登攀を開始するものの、落石・吹雪・雪崩など次々と悪条件が重なる。負傷者が登攀を継続できない状態になったため、悪天の中で決死の下降を試みるものの・・という、実話なだけになんとも救いのないストーリー。
今から考えるととてつもなく貧相な装備、いかにも脆そうな岩にハーケン1本でぶらさがっちゃう恐ろしさ。状況の困難さが多少は理解できるだけに、もう見ていてずっと声を殺して叫びまくり(?)。手に汗にぎりまくりで、めちゃめちゃ疲れた。
主人公がふと手袋を落とすシーン、あのヤバさは山ヤじゃないと気づかないだろうなー。それから、最後に救出しようとした人が、ふと短いロープを結び合わせて渡すなにげないシーンに、あ゛ー・・って思うのも。
★『アイガー北壁』オフィシャルサイト ・・・ココ!
それにしても・・
彼らは何のためにあの登攀を成し遂げようとしたのだろうか。冒険心?名誉欲?もしかして、時代の流れの中での単なる“イキオイ”?
ひとによってその比率が違うにせよ、それらすべてが複雑にブレンドされてモチベーションが形成されているのではないだろうか。
初登攀にこだわりを持つ、とある山ヤさんが「名誉欲なんかではない」と言い切ったのを聞いたことがあるが、それがないとはどうしても思えない。
名誉や他人の評価が本当に関係ないのなら、なぜ“初”でなくてはならないのか。自分にとってはどの山だって壁だって、最初は“初”だ。「他人より自分が先に」と思う時点で、他人が関係しているではないか。そして、他人の評価がどうでもいいなら、その記録を発表しなくていいではないか。
極にゃみ的には、名誉欲を持つことが悪いことだとは思わない。なにか他人にできないことをやったり、人よりうまくやれたりして、ほかの人々にに「すげー」と思われることに快感を覚えるのはフツーのことじゃないのか。「ひけらかしている」と思われるのはみっともないことだと思うけど。
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コメント
お元気ですか。私、いま八戸にきています。大阪で1000円でみたよ。女優さんがよかった。地味なドイツ映画でした。今晩、下北半島に移動します。
投稿: くりたあきお | 2010年4月17日 (土) 07:40
くりたさん、お久しぶり~(って先日道場駅前でお会いしましたねー)
なんと東北ですか。そろそろ桜が見頃でしょうか。
東北行きたいなー。
投稿: にゃみにゃみ。 | 2010年4月17日 (土) 09:04