2010年春季 東お多福山草原保全・再生活動
2007年の秋から試行的に植生調査を実施している東お多福山で、今年も調査&保全活動が行われた。これまでボランティアとして関わってきた「ブナを植える会」「日本山岳会関西支部」「六甲楽学会」「芦屋森の会2001」などのグループに加え、「こうべ森の学校」「西宮明昭山の会」「萱葺同人」、神戸大学の学生さん、神戸市森林整備事務所や兵庫県民局の方も来られ、総勢約50名の参加となった。
兵庫県立人と自然の博物館・橋本佳延研究員によって、これまでの経緯と現状、植生について説明を受けた後、ネザサの刈り取り作業とコドラートの植生調査を実施。
六甲山系唯一の草原として利用されてきた歴史を持つ東お多福山は、1950年くらいから管理が放棄されたため、それまで長年維持されてきたススキ草原が失われた。1969年にはいったんネザサが一斉枯死したため、一時的にススキ草原が甦ったものの、その後再びネザサの勢力が増し、ここ10年以上、草原生植物がほとんど見られない“種多様性の低い”状態となっている。
そこで・・
一部のエリアだけでも草原の復元ができないかということで調査が行われている。
その結果、ほぼネザサのみが茂って、ほかの植物が育たない環境であったところに、オカトラノオ、オケラ、ササユリ、リンドウ、キキョウ、センブリ、ツリガネニンジンなどの草原性植物が甦りつつあることが確認された。「自然のまま=遷移に任せる」というのもひとつの考え方ではあるが、生物多様性の高い豊かな環境を維持するために少し手を加えるということも場所によっては必要なことではないか。環境省、自治体、そして山を愛する人々の間でコンセンサスを探りながら、徐々に答えを見つけていけばいいかな。そしてそこに多くの人々が関わり、知恵と力を出し合うしくみが育てばいいなと思う。
これまでの活動(極にゃみ的に関わった件)
★2008年11月25日 ・・・ココ!
★2009年5月19日 ・・・ココ!
★2009年7月24日 ・・・ココ!
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