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『ソルハ』

題名の「ソルハ」とは、アフガニスタンの言葉で「平和」という意味だとか。Photoイスラム教もナゾだし、中近東のことはほとんど知らないのだが、「ぼくは無関心と無知は大きな罪だと考えています」と書く著者が子供たちに向けて、この謎めいた世界のことを物語を通して説いてくれる。
子供向けに書かれた本だが、旧ソ連によるアフガン侵攻とその後の内紛、タリバン支配など戦乱続きの国の実情を垣間見ることができた。
女性に対する教育を禁止し、男性親族が同行しなければ外出すら許されず、ブルカという全身を覆い隠す衣服の着用を強要され、美しい衣装を着ることも化粧をすることも禁止・・というとんでもない状況の中で、父親に「勉強することで、ビビ(主人公)は望むものになれる。男か女かは関係ない。ビビが大人になったとき、アフガニスタンが必ずビビを必要とする」と言われて、必死になって勉学に励む少女。志を持つということの素晴らしさを子供たちが読み取ってくれたらいいな。
作品中に「1万時間の法則」というのが出てくるのだが、どんなことでも、1日3時間、週に21時間、それを10年続ければ必ずぬきんでたものになる・・というくだりが出てくる。毎日3時間登ったら、きっとヘボ脱出できるんだろうな。

『ソルハ』
帚木 蓬生 著
あかね書房 刊
2010年4月 初版発行

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コメント

>「…無知は大きな罪だと考えています」

悪…という塊は、無知という無防備な状態に
するりと入り込んで…増殖していく。

知っていれば防げたこと
気がつけたら回避できたこと
私の身の回りにも、いっぱいある…

無知は罪成り…
このごろそう思う。

投稿: はりせんりりー | 2010年7月28日 (水) 09:52

>知っていれば防げたこと
>気がつけたら回避できたこと
>私の身の回りにも、いっぱいある…

そうですね。
そーゆーことってホント多いです。

ソータイ関係でなんじゃかんじゃやってるのは、
知っていれば防げる事故、
ちょっと注意すれば回避できる事故・・を
できる限りなくしたい、という思いからなんですが・・

山に限らず、日常でもそうなんですよね・・・。

投稿: にゃみにゃみ。 | 2010年7月28日 (水) 17:12

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