『出世花』
ハートウォーミングなストーリテラーとして最近お気に入りの高田郁さん。『八朔の雪』、『花散らしの雨』、『銀二貫』に続いて読んだのがコチラ。タイトルからして華やかなストーリーかと思いきや、“妻敵討ち”の旅の途中で父を喪い、“葬式寺”に引き取られた娘が湯灌の専門家?として成長していくという、時代小説版「送り人」のような内容。
“屍洗い”と蔑まれることもあるが、身内を喪って深い悲しみの中にある遺族にとっては、心をこめて亡骸を清め、浄土へと送ってくれる“三昧聖”。利発で心優しいヒロインがとても魅力的で、続編に期待したい作品だ。タイトルは、不義を働いた母の業を連想させる「艶」という名を仏縁の「縁」に改名することに因む。
『出世花』
高田 郁 著
祥伝社 刊
2008年6月 初版発行
さー。天気がすごく悪い週末。“雨天決行”とのことなので、雨中渋々出動・・です。
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