『想い雲 みおつくし料理帖』
『八朔の雪』、『花散らしの雨』に続く「みおつくし料理帖」の第3弾。心温まる時代小説を次々に発表される高田郁さんの作品の中でも、とてもお気に入りのシリーズだ。「雲外蒼天」の数奇な運命によって上方から江戸へくだって料理人になるというヒロイン澪を巡る物語。次々と訪れる苦難を乗り越えながら成長するというパターンの中で、吉原の花魁となった幼馴染との刹那で幻想的な再会が美しく印象的。
例によって作品中に登場する料理が、どれもあまりに美味しそうで・・なんとも読後感のいい作品だ。
『想い雲 みおつくし料理帖』
高田郁 著
株式会社角川春樹事務所 刊(ハルキ文庫)
2010年3月 初版第1刷 発行
この作者のほかの作品の極にゃみ的レビュー
●『銀二貫』
●『出世花』
オマケ↓↓↓
「巻末付録 澪の料理帖」から
★ふわり菊花雪
(下拵え)
・山芋 150gは皮をむいて酢水に漬けておく
・菊花は花弁をほぐし、酢を落とした湯でさっと湯がいて水に放ち、しっかり絞る
・出汁小さじ1、酢小さじ1、醤油小さじ1/2を合わせておく
(作り方)
・山芋は千切りにしてから濡れ布巾に包んで擂粉木でていねいに叩く
・菊花を和えて、塩で味を調える
・ヒラメの刺身を盛り付け、合わせ酢をかけて、山芋をふんわりとトッピングする
※『江戸のおそうざい 八百善料理通』(栗山善四郎著)に紹介されている「菊花薯蕷」を参考に考案
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