『記者会見ゲリラ戦記』
公の情報は原則としてすべてオープンにされるべきものであるにもかかわらず、じつは特定の組織=マスコミのつくった利権団体『記者クラブ』が公の情報発信を阻害しているという事実がある。馴れ合いによって情報源と発信者が双方に都合のいい情報だけが、都合のいいカタチで発信されているというケースが確実に存在する。
そういったややこしい“しがらみ”を持たず、フリーに活動するフリーランス記者の目から見た、政府や政治家の記者会見の実態と、オープン化に向けた戦いの記録。
知らないことっていくらでもあるけど、知る努力は必要で、それを怠ることは怠慢でしかないということ…
原発事故を巡るアレコレには暗澹とせざるを得ないが、世の中、上っ面だけ見ていても見えない仕組みになっているってことがよくわかる一冊。
『記者会見ゲリラ戦記』
畠山理仁 著
扶桑社新書 刊
2010年12月1日 初版発行
★フリーランスライター畠山理仁のブログ
★畠山理仁on twitter @hatakezo
★【シェアな生活】畠山理仁さんインタビュー ①
最後の部分を少し抜粋。
もし、記者会見が権力側の「発表の場」にすぎないのであれば記者はいらない。政府広報がその役割を担えばいい。記者会見に意味があるのは、そこが質疑応答の場だからだ。しかし、記者会見がオープン化されていない現状では、記者クラブとそれ以外の記者が質問権を争って、くだらない対立をしなければならない。
その争いを一番喜ぶのは誰か。厳しい質問を浴びせられない権力者に決まっている。
記者会見のフルオープン化がなされた時、ようやく権力と報道の本当の戦いが始まる。すでに観客はガチンコ勝負を見るために、少しずつスタンドに入りだした。記者会見が真剣勝負の場になれば、政治かも記者も技量が磨かれる。ファインプレーも出るだろう。
さあ、一刻も早く試合を始めよう。開かれた日本の民主主義のために。
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コメント
畠山サマっ・・・!?
ご、ご、ご本人っ!
著者さま直々にコメントをっ!!!光栄ですっ!
非常に勉強になった一冊でした。
ありがとうございました。
投稿: にゃみにゃみ。 | 2011年5月 9日 (月) 23:40
拙著をご紹介いただきありがとうございました。
遅ればせながら御礼申し上げます。
畠山理仁
投稿: 畠山理仁 | 2011年5月 9日 (月) 17:34
大手メディアだけを信用していてはどうにもならないってことは今回の震災でいろいろと露呈しましたけど、ではいったい何が信用できて、何は疑ってかからないといけないのかが難しいですね。
「活字になっていること=真実」「電波で流れてくること=真実」と思っていても問題がない時代なら楽だったんですけど。
投稿: にゃみにゃみ。 | 2011年4月25日 (月) 22:56
「記者クラブ」については上杉隆氏が痛烈に批判して、同じ考えを持つ人達と一緒にそれに対抗する組織を立ち上げているようですね。
)の記事の方が信用という意味ではマシなように思います。
それを知ってからはテレビと新聞記事は信用しないことにしています。
まだインターネット(あんまり操作できないけど
投稿: tan | 2011年4月25日 (月) 22:21