映画『岳』
観たい観たいと思っていた映画、あさやんが「タダ券あるから」って誘ってくれたのでご一緒させてもらった。
原作が大好きなので、ちょっぴり「イメージ崩れたらヤだなー」ってキモチもあったのだが、小栗三歩、なかなかよかった。
昨年、まだ撮影が行われている頃、山岳医療・レスキューの第一人者であり、本作で医療関係の監修をされた悳 秀彦氏から飲み会の席で「突っ込みどころは満載だけど、まぁ映画だから」って話を聞いてたんだけど…
確かに「ま、映画だからいいんじゃない?」って感じ。
山岳救助のたいへんさ、人の命や絆の尊さ、山の素晴らしさなどがたっぷりと織り込まれ、神々しいまでに美しい山の景色とともにしっかりと楽しめる作品になっている。
ただ、
山をまったく知らなくて、これから始めてみたいという方のために老婆心なコトをちょこっと述べると・・・
まず、
・雪崩に埋まったら、よほど運がよくなければあんな風には出れません。あれは、三歩が「山そのもの」といわれるほどにスペシャルな存在だから特別なのです(?)。
通常の人間ではありえません。
それから、
・冬の中部山岳3000m級の稜線では、低気圧の通過中や冬型が強まっているときには、まともに立って歩けないほどの強風が吹き荒れます。人を担いで歩くどころか、たちまち体温を奪われて「低体温症」に陥ります。
なので、確実な搬送方法が確立されていない限り、“せっかく”下が平らで安定したクレバスに落ちたのなら、天候回復を待つべきです。映画だもんで、「そんなことしてると劇場の営業時間が終わってしまう」という都合上、展開を急いだだけです。
映画じゃなくて、しかも都合よくクレバスに落ちなければ(通常あのような都合のいいクレバスはありません)、下山を強行するよりは、雪面に穴を掘るなりして風が当たらない状態を作って、天候回復を待ちましょう。厳冬期の剱岳とかなら下手をすりゃ1週間くらい閉じ込められることもあるけど、そうでなければ通常2~3日も待てば回復します。
もひとつ、
・アイスアックス(ピッケル)は、滑落時などに自分の足や腹に刺さってしまうことはありますが、それで足を切断することは(たぶん)できません。
ウソだと思ったら、アーロン・ラルストン氏に聞いてご覧なさい。もうすぐ彼を主人公とした映画が始まるから、それを観たらよくわかるはずです。
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コメント
私も、悪いけど小栗さんは違うでしょ!って思ってたんだけど・・・
“小栗三歩”になってたよね。
役者魂、すごい。
で、やっぱ、アイスアックスでは・・・
私は無理だと思う。
“監修”のセンセがどう言ったのか、来月お会いするので聞いてみます。
あ、127時間(だっけ)、
体力のあるときにどうぞ。私、原作読んで、体力消耗した…あれが映像になると思うと… 相当の覚悟がいるかも。
投稿: にゃみにゃみ。 | 2011年6月 2日 (木) 00:35
最初キャストが発表されたときに
「え〜?小栗旬?イメージ違う〜」と思ったんですけど、
なんのなんの!小栗三歩、良かったです♪
いや〜役者ってすごいなーと改めて思いました。
そして、やっぱピッケルでは無理ですか(^▽^;)
アーロン・ラルストンの映画、サイトで予告編見てて
怖くなって閉じちゃったんですけど…
決死の覚悟で見に行こうかな。怖いけど(´Д`;)
投稿: タマスケ | 2011年6月 1日 (水) 17:52