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『春を背負って』

秋だけど…笹本稜平さんの新刊を読んだ。Haruwoseotte奥秩父の山小屋を舞台に、若き小屋主と、訪れる人々を巡る心温まるストーリー。
最先端の技術者として東京の電子機器メーカーに勤務していた主人公が、急死した父の跡を継ぎ、山小屋を経営することに。右も左もわからないところへ、助っ人に駆けつけたのは父の後輩と名乗る“ゴロさん”というホームレス。謎に包まれたこの人物の過去が語られたり、自殺願望のOLが迷い込んできたり、白骨化した遭難者を発見したところへ追い討ちをかけるかのような84歳の登山者の遭難騒ぎ…などなど、山小屋ならではのエピソードがいろいろ。読んでいると、もれなく山に行きたくなる一冊だ。


『春を背負って』
笹本稜平 著
2011年5月 初版発行
文芸春秋 刊

同じ作家の既読作品
『還るべき場所』


極にゃみ的抜粋を少々。

P42
殺人の嫌疑をかけられ、警察に追われているホームレス・ゴロさんの言
「人生には落とし穴がいっぱいある。だれも好きこのんでそこに落ちようとは思わないが、おれは馬鹿だから何度も嵌っちまった―
だけどね。その落とし前を他人につけてもらおうなんて一度も思ったことはない。自分の人生が不幸だとも思わない。雨が降ろうが風が吹こうが、自分にあてがわれた人生を死ぬまで生きてみるしかない。」

P118
「つまりね、人生で大事なのは、山登りと同じで、自分の二本の足でどこまで歩けるか、自分自身に問うことなんじゃないのかね。自分の足で歩いた距離だけが本物の宝になるんだよ。だから人と競争する必要はないし、勝った負けたの結果から得られるものなんて、束の間の幻にすぎないわけだ。」
「いま思えば、そもそも敵なんかいなかったような気がする。勝ち負けでしか自分の力を評価できないから、そのために自分で幻の敵をつくっていたんじゃないのかな」

P300
「周りからいくら幸福に見えても、その人が本当に幸福かどうかは本人にしかわからない。でも心の中に自分の宝物を持っている人は、周りからどう見られようと幸福なんだよ」
「幸福を測る万人共通の物差しなんてないからね。いくら容れ物が立派でも、中身がすかすかじゃどうしようもない。ところが世の中には、人から幸せそうに見られることが幸せだと勘違いしてるのが大勢いるんだよ」
「人間て、だれかのために生きようと思ったとき、本当に幸せになれるものなのかもしれないね。」

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コメント

抜粋の文章、響くものがあります。
こっちの本も読んでみたいなー。
にゃみさん、めっちゃ本読んでらっしゃいますけど、図書館とかで借りてるのー?

投稿: タマスケ | 2011年11月 9日 (水) 08:46

この本、おススメです。

電車で移動するときに、本がないと過ごせない系なので(つか、本を忘れるとずーっとツイートし続けるのでとても迷惑?)けっこう読みますね。

うちの別宅の書斎には、うなるほど本がありましてね。しかも「この本読みたいので」ってwebからお願いしとくと、ちゃんと棚から探し出して「ご用意できました~」って渡してくれるんだよねー。
たいして税金払ってないのに申し訳ないね。

投稿: にゃみにゃみ。 | 2011年11月 9日 (水) 09:01

にゃみさん家の書斎、すごいなーー!
ウチの書斎も新品の本がいっぱいあるんだけど、
いかんせん、持ち出し禁止なんですよねー…。
しかも、たいがい立って読まなあかんねん(笑)

投稿: タマスケ | 2011年11月 9日 (水) 12:57

あー、うちも新品が置いてあるほーの書斎はね、
立って読まなアカンからなー。

古くても、持ち出しできるほうがありがたいね。
(けど、読んで気に入った本は新品が置いてあるほうから取り寄せて、自室に置いとくねん)

投稿: にゃみにゃみ。 | 2011年11月10日 (木) 01:09

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