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紀州さんま寿司と「さんず」

ここ半年くらい、熊野のカミサマに呼ばれているかして、ずいぶん行く機会が多い。

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昨年の9月5日『ランドネ 2011年12月号 No.22』のロケで訪れ、奇しくも台風12号が災禍をもたらした直後だったためその惨状を目の当たりにし、ささやかでも復興支援の一助になればという思いから、個人的にも繰り返し訪れている。そんな中で出会った紀州の美味のひとつが「さんま寿司」。

和歌山出身で、亡くなってからもう何年も経つのに未だに時々思い出される古い山仲間の大川則子さんから教えてもらったのが最初だったと思う。

晩秋から冬にかけて、南下する黒潮に乗って回遊してくるサンマは、北海道や三陸沖で水揚げされるものと異なり、脂が抜けてやや小ぶり。これを紀州特産のかんきつ類と合わせてさっぱりとした寿司に仕立てたのが紀州のさんま寿司。正月には欠かせない料理として各家庭で大量に作るものだったそう。
元々がハレの料理なので、尾頭付きが基本だったのが、食べやすさからバッテラ風の押し寿司のように作られることもあり、スタイルはさまざまだが、紀南(熊野以南)では背開き、紀北(尾鷲以北)は腹開きが一般的だとか。作り方も異なっていて、腹開きのものは巻き寿司のように、背開きのものは木型で押して作られ、生臭みを消すために紀南では柑橘酢を、紀北ではカラシが使われるそう。

Photo昨年11月に熊野古道中辺路へ行ったとき、初日に泊まったあったかお宿「月の家」さんでは、背開きなのは紀南風だけど、巻いてあるところは紀北風?
ただ一人だけの客のために、手作りのホントに美味しい食事を提供してくださった月の家さんでは、夕食が多すぎてこのお寿司は食べ切れなくて行動食に持って歩いたのだが、翌日食べた時に感動。
さっぱりとした酢飯、適度な脂で旨みのあるサンマの味わいが本当に美味しかった。酢で〆てあるので、行動食にぴったりなのだった。

それから・・・
Photo_2先週行った大辺路の初日、白浜駅前で予約購入した紀州寿司「はま乃」のお弁当に入っていたのも美味しかった。
コチラは、腹開きの紀北風?なのだが、押し寿司系の紀南系?月の家さんと逆バージョン。
酢飯もしっかりした味で、何よりサンマが美味しくて、お弁当を食べた場所が寒くてしゃべる気にもならずにもくもくと食べたけど、この美味しさは感動的だった。

そしてその翌日、新宮の駅前で購入した「徐福寿司」のさんま寿司は・・・

Photo_3コチラは、紀南風の背開きだけど、巻きすで巻いたもので、「月の家」と同じスタイル。
けど、頭と尻尾がそのままついてて、見た目にはインパクトがあるけどちと食べにくかった。
お店によってホントいろいろ味もスタイルが違うのだなーと思ったけど、どれもホント美味しかった。で、その新宮で発見したのが・・Dsc04981

この柑橘たち。
左側の黄色いのがレモン、右側のミカン色のが「さんず」というもの。
お店で聞いたら、果汁を絞って、酢の替わりに何にでも使えるのだとか。この地方では、家に1本この木を植えていて、冬になると鍋のポン酢代わりに使ったり、正月にさんま寿司を作るときも使うそう。
買ってきて使ってみたけど、爽やかでとても美味しい。重いけどもっと買ってくればよかったな。

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コメント

ふむふむ。非常に勉強になりました。。。
さんま寿司を食べた感動は今でも思い出すくらい。
極寒の劣悪条件の中で食したにも関わらず誰も食べるのを
止めなかったのはこの美味しさゆえ。
柑橘類の酸味で〆めてあるからあんなにサッパリなのですね。
あらゆるところのを食べ比べてみたーい♪
でも今度はあったかいとこでおしゃべりしながら食べたい。
そしてそこに黒牛が添えてあれば思い出なぁ(←福井弁)

投稿: monaco | 2012年2月16日 (木) 17:47

あの寒風吹きすさぶ中で、みんな黙々と食べ続けてたよねぇ。
ふつうだったら、行動食的にとりあえずちょこっと食べて、あとでまた場所を変えて食べればいいのに、取り憑かれたように完食せずにはいられない的な…

ところで
>思い出なぁ

ってナニ!?

投稿: にゃみにゃみ。 | 2012年2月16日 (木) 19:16

思い出なぁ…は祖母とかの年代がよく使ってた福井弁で
『これ以上何も言うことはない』みたいな意味です。
くだいていうと『あー幸せ!』のような。。。
 例文)こんな美味しいご飯が食べれて思い出なぁ
てな感じです。

投稿: monaco | 2012年2月17日 (金) 08:21

へぇぇ。初めて聞いた。
でもなるほど~って感じ。

投稿: にゃみにゃみ。 | 2012年2月17日 (金) 08:36

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