『ウルトラライトハイキング』
アメリカには“トリプルクラウン”と呼ばれる3つのロングトレイルがある。東海岸のアパラチアン・トレイル(AT/3500km)、大陸中央分水嶺を行くコンチネンタル・ディバイド・トレイル(CDT/4700km)、西海岸のパシフィック・クレスト・トレイル(PCT/4200km)の3つ。
アメリカならではの長大なロングトレイルを一気に踏破するハイカーを「スルーハイカー」と呼ぶ。1954年に67歳で3500kmものアパラチアン・トレイルをスルーハイクしたエマ・ゲイトウッド(女性)、1980年後半から、驚異的な日数でトリプルクラウンを踏破したレイ・ジャーディン。(なお、レイ・ジャーディンはヨセミテで精力的にフリークライミングに取り組み、カヤック・スカイダイビングなども嗜む工学博士。SLCD'sの発明者としても知られている。)レイ・ジャーディンの著書『Beyond Backpacking: Ray Jardines Guide to Lightweight Hiking』によってウルトラライトハイキングという概念に出会ったというHiker's depotの土屋 智哉氏によるULハイキングの解説本。
「過剰な道具は必ずしもハイキング&キャンピングの楽しみや安全の本質ではない」レイ・ジャーディン『Beyond Backpacking: Ray Jardines Guide to Lightweight Hiking』
ULHの“哲学”という章では、
「人によってハイキングやキャンプの目的は異なりますが、その核はなんでしょう。装備を持ち運び歩くことでしょうか。テントを立てることでしょうか。それらはあくまで枝葉なことに過ぎません。幹となるべきことは、自然の中に身を置き、自然を感じることではないでしょうか」と述べている。
「自ら運べるものを運び
自然のなかをやさしく歩き
自然のなかでそっと静かに眠り
自然の営みに気づき
自然とのかかわりを考える
ハイキングの核とは、こうしたシンプルな営みにこそあるはずです。」
『ウルトラライトハイキング Hike light,Go simple.』
土屋 智哉 著
山と渓谷社 刊
2011年2月 初版発行
★Hiker's depotのウルトラライトハイキングについてのアーカイブ
★日経トレンディ・インタビュー
日本のULハイキング界の第一人者、Hiker's Depot の土屋 智哉さんに聞く
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