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『今朝の春』

読むとあったかいキモチになれる、ステキな時代小説「みおつくし料理帖」の第4弾。
Kesano_haru江戸でも屈指の大店のお嬢様、伊勢屋の美緒に大奥奉公の話が持ち上がって、澪が包丁使いの指南役を務めることに…という『花嫁御寮』、
気難しい人気戯作者清右衛門が吉原のあさひ太夫を題材に戯作を書くことになり、今は会うことも叶わない幼馴染を思う澪の心情が切ない『友待つ雪』、
子煩悩で無口な夫・伊左三がまさか浮気?悩み苦しむおりょうさんを巡る『寒紅』、
心ならずも、登龍楼との料理の競い合いを行うこととなってしまった澪が苦悩しながら創り出す渾身の料理…『今朝の春』。

またしても心温まるステキな作品だった。

『今朝の春―みをつくし料理帖』
高田 郁 著
2010年9月 初版1刷 発行
角川春樹事務所 刊

『今朝の春』では、料理人としての本分と、勝ち負けを競うということについての主人公の葛藤が描かれている。

少しだけ抜粋してみると・・・

「勝負事ってのは厄介でねぇ、どれほど努力したとか精進したとか言っても負ければそれまで。勝負に出る以上は勝たなきゃいけない。そう思うのが当たり前ですよ」
ただ、と、りうは言葉を切った。
「勝ちたい一心で精進を重ねるのと、無心に精進を重ねた結果、勝ちを手に入れるのとでは、『精進』の意味が大分と違うように思いますねぇ」

【登場する料理】
『花嫁御寮』では、密かに心を寄せる“小松原様”が落としていったもの…漢方で薬用にする「地膚子」=ほうき草の実=ははきぎ=とんぶりを使ったメニューが紹介される。

■ははきぎ飯
炊きたてごはんの上に、出汁で割った山芋をかけ、とんぶりをたっぷりトッピング

■イカ刺和え
細造りにしたイカをとんぶりと和えて、ゆずをくりぬいたものを器にして盛り、柚子果汁を絞る

『友待つ雪』
■里の白雪(蕪蒸し)
・皮をむいた蕪を目の細かいおろし金ですりおろし、軽く水気を絞り、漉した卵白と混ぜて塩少々を加える
・軽く塩をして湯引きにしたヒラメの切り身を器に盛り、蕪と卵白を混ぜたものを乗せて蒸す
・あんかけにして山葵を添える

『寒紅』
■ひょっとこ温寿司
・干ししいたけ、かんぴょう、人参を具として下処理
・酢飯に具を混ぜ、茹でた海老と錦糸卵を乗せて蒸し器で20分蒸す
※焼き穴子、インゲン豆なども美味

『今朝の春』
■寒鰆の昆布締め
酢で湿して、白い面が出るまで削った真昆布で刺身用に切って軽く塩をした鰆を包んで2時間ほど置く
※白身魚なら何でも。塩をして30分ほど置き、水気をよくふき取って昆布に包む

★シリーズ作品
『八朔の雪』
『花散らしの雨』
『想い雲』

★この作者のほかの作品
『銀二貫』
『出世花』

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コメント

私も高田郁さん大好きなんです。
ここ最近のブログでも少し触れさせてもらったくらい。
お店にも来てくれてますし、とても気さくな素敵な方ですよ。暖かい人柄で納得です。
この小説で何度泣かされたことか。

より多くの人に読んでもらいたい作品ですね。

投稿: K | 2012年3月31日 (土) 09:04

やっぱり、ご本人も温かいお人柄なんですねー。
作品からもなんとなくわかります~。

どの作品もホントいいですよね。

投稿: にゃみにゃみ。 | 2012年4月 1日 (日) 13:49

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