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“おしりかじり猪”に遭遇!

東お多福山からの帰り、一人で風吹岩~ロックガーデンを下ったのだが…Dsc02209
風吹岩から1つ目の送電線の下で、藪の中からイノシシが出てきた。
“いつもそうするように”、無視して立ち去ろうとしたところ、突如後ろから襲われた。段差のある下りだったのと、縦長25リットルパックを背負っていたので、かじられそうになったのはパックでお尻に実害はなかったのだが、六甲登山歴50年にしてこんなことは初めてだ。

講座の受講者の方などに対しては、イノシシ対策として
①イノシシが近くにいるときに食べ物を出さない
②食べ物が入った袋を持って歩かない
③近くに出てきても、食べ物さえ持っていなければ近寄ってこないので無視すればいい

とお伝えしてきたのだが、③に関して、こう言い切れない状況になってきているのかもしれない。六甲山地では、すそ野の市街地も含めてイノシシと遭遇することはまれではない。生息数もかなり多く、近年かまれたりする被害も増えてきている。

神戸市では、2002年5月から「イノシシ条例」(通称)を施行して、餌付け(および結果的に餌付けになるような行為)を禁止している。
また、東灘区のサイトでイノシシに関する知識や対策を周知しようともしている。
イノシシ被害について

このサイトによれば、
・イノシシは非常に嗅覚に優れた動物です。スーパーなどの買物袋や手提げバックにある食べ物のにおいを嗅ぎ付けてやってくる場合があります。このような場合は食べ物(袋やバック)を体から離して逃げてください。
・棒などで追いかけるのはやめてください。恐怖で逃げ出したイノシシが周りの人を襲うなど大変危険です。
・近づいてきた場合は慌てずにゆっくりと後ずさりしてください。急に動くとイノシシも驚いて思わぬ事故につながります。


とのこと。

イノシシにしてみれば、「ハイカーは食べ物を持っている」「背中に背負ってるモノや手に提げているモノの中にソレは入っている」ことを“学習”して、そうこうするうちに“体当たりしたら人間はびっくりしてソレを捨てて逃げ出す”ことまで学んだのかもしれない。
野生動物がエサを探し出すのは本能として当たり前のことだし、人間が持っているものを奪うことは別に彼らにしてみれば悪いことでもなんでもない。
油断して奪われる人間が悪いのであって、その時たまたまその人間がけがをしたりすると“有害獣”として“駆除”の対象となってしまうのは、動物の側からすると本当に理不尽な話だと思う。

そういう“学習”をさせないように、彼らの棲み処に立ち入らせてもらう人間は注意深くあらねばならないと思う。
・・・などと考えながら下っていたら、野ネコにエサをやったバカハイカーがいたようで…
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コンビニおむすびを、ご丁寧にパックを広げて、岩の上に置いてあった。
このネコはめんどくさそうな顔して、まずそうに食べていたけれど…
野ネコが野生動物かどうかはさておき、自然環境の中で生きている動物にエサを与えないでください。(しかも彼らは食べた後、包み紙を捨てに行ったりしませんぞ!)

本当にお願いです。動物にエサを与える(奪われることも結果的に与えていることです)行為は、彼らにとって悪い結果しかもたらしません。
「おなか空かせてかわいそう」ではないのです。餌付けされた野生動物が野生を失うことの方がずっとかわいそうだし、人にエサをもらえることを“学習”して、人に近づいてたまたま危害を与えてしまったら殺されることになるんです。
野生動物に対しては、彼らのテリトリーを侵害しないように、なるべく関わらないようにするのが、野山で遊ばせてもらう者のマナーだと思います。

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コメント

風吹岩辺りではよくイノシシさんを見かけますが、
いつもボ〜と歩いてる感じで僕も無視すれば良いと聞いてたからそうしてましたが、
確かにあれだけ人が集まりお弁当を食べたりしていると彼らも学習しちゃいますよね。
たぶんボ〜としながら人間の行動を観察してるんじゃないかな?

ロックガーデンから風吹岩までの間に明らかに餌付けをしているのを何度も見たことありますしね。

それとこないだ剣山へ行ったときにやたら多くてびっくりしたのが、
犬を連れて山を登ってる人が異常に多かったこと。
山上のヒュッテ前では鳴き声がうるさくてうるさくて。。。

でもほんと囓られなくて良かったですね〜。

投稿: Fukuzo | 2012年5月17日 (木) 11:59

いまだに餌付けしてるヒトとかいるんだ!?
信じらんない~…

野生動物をなんだと思ってるんでしょうね。
六甲山のイノシシなんかあまりにふつーにいるから、
自分家で飼ってるネコやら犬やらとごっちゃにしてんのかな。

ペット連れの登山もいろいろ問題あるみたいですしね。

なんか、そういう“野生動物”やペットを含む動物との賢い付き合い方、みたいな部分で、きちんとした知識を普及啓発するイベントみたいなの、企画できないかな。

投稿: にゃみにゃみ。 | 2012年5月17日 (木) 12:37

ギョギョ!
危なかったですねぇ。
猪怖いし、山道で逃げるの大変だったと思います。
怪我されなくて本当によかったです。
恐ろしい経験です。

屋久島に行ったときにサルがまったく襲ってこなかったのですが、それはなぜかといいますと餌付けされていないからだそうです。

同じものを食べるようになると、力の強いものがご飯を食べることができる→人間の食べ物を奪う(襲う)。

投稿: みの | 2012年5月17日 (木) 22:13

屋久島のサルはヤクザル~。
ヤクザルもヤクシカも、人を遠巻きに眺めはするけど、寄ってはこないですよね。

やっぱり六甲山のイノシシはちとおかしい。
でもそういう風にしちゃったのは人間なんですよね、きっと。

投稿: にゃみにゃみ。 | 2012年5月19日 (土) 09:23

猪対策に狼の導入を! http://japan-wolf.org/content/faq/ 懸念があったら参照

投稿: 名無し | 2013年1月20日 (日) 19:12

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