有川浩『植物図鑑』
「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか? 咬みません。躾のできたよい子です」
「 ――あらやだ。けっこういい男。」
ある日、道ばたに落ちていた彼。
…という風に始まる、“道草恋愛小説”。
チマタには、「あるとき天から美少女が降ってきて、、」的な「落ち物系」というジャンル?があるそうで、「だったら女の子の前に、イケメンが落ちてたっていいじゃないか」と作者が思ったことからできあがったストーリーなんだと。
確かに、酔っぱらって帰ってきた主人公(女子)の前に落ちていたのは、なかなか“イケテる”男の子で、なぜなら彼は家事万能のハウスキーパーだったりするのである。なぜか植物に超詳しい彼が、河原や近くの里山、近所のお散歩コースなどで摘み草をしては美味しい料理に仕立ててくれる… という、ベタ甘なんだけど、自然好きさんも、グルメさんも満足できる異色のストーリーとなっている。
有川さんらしい、ほんわか楽しめる素敵なエンターテイメント作品だ。
『植物図鑑』
有川浩 著
角川書店 刊
2009年6月 初版発行
(初出:ケイタイ小説サイト「小説屋sari-sari」2008年6月~2009年4月)
★we KADOKAWA 植物図鑑(公式サイト)
巻末特別付録「イツキの“道草料理”レシピ」よりちょこっと抜粋。
■フキの混ぜごはん
・フキは茹でこぼして水にさらしてあくを抜き、筋を取って小口切りに
・塩少々を振って混ぜ、ご飯を混ぜ合わせる
■ノビルのパスタ
・ノビルは洗って根と葉に分けて切っておく
・セイヨウカラシナはさっと塩ゆでしてざく切りに
・ベーコン、ノビルの根、ノビルの葉、セイヨウカラシナの順に炒めて塩コショウで味付け。茹でたパスタを入れて和える
■タンポポの茎の炒め物&葉っぱのおひたし、花の天ぷら
・タンポポの茎と葉をわけて切って水にさらす
・茎と葉はバターで炒めて醤油で味付け
・葉は茹でて水に取り、絞っておひたしに
・花はゆるめの天ぷら衣をがくのみにつけて低温でじっくり揚げる
■ヨモギのチヂミ
・ヨモギはさっと軽く塩ゆでにし、水に取って絞ってざく切り
・チヂミの生地に混ぜて焼く
■ヨモギの油揚げサンド
・油揚げを半分にカットして開き、ハム・ヨモギ・チーズを挟んでオーブントースターでカリッと焼く。
※チーズが多すぎるとヨモギの風味がわからなくなるので控えめに
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コメント
むむ!チョットこれは読まなアカンかな?ですね。
今夜は娘が来たのでアサリのスパゲティと定番の豆腐サラダとスズコ外でした~。
「三匹のおっさん」面白かったですよ。この前「親鸞」を読んだけど五木さんの小説はたぶん40年前頃にに読んだ「青春の門」以来かもです。
この小説も良かったです。「なみあみだぶつ」と念じれば登れない岩も登れるのかな?です。
投稿: カメさんH | 2012年6月13日 (水) 20:41
お嬢さん、スズコを召し上がったのですね、
よいタイミングで来られましたねー。
山菜や野草ってホント、タイミングが大事ですもんね。
「三匹のおっさん」も面白いけど、
この本もほんわかしたストーリーで、
特に野草好きにはたまらない一冊ですよ。
「親鸞」は読んでないなぁ。いつか読まねばと思ってますが…
投稿: にゃみにゃみ。 | 2012年6月13日 (水) 20:48
なんとタイムリーな!!
ノビルはパスタにするのがよさげですねー。
せっかくの摘み草。いろんな食べ方をして成仏(?)させてあげたいものです。
投稿: monaco | 2014年4月29日 (火) 22:29
来年は西洋カラシナも早めにたくさん摘みに行きましょう。
ノビルのある場所もだいたいわかったし、アレコレ覚えて活用ー。
投稿: にゃみ。 | 2014年4月30日 (水) 07:21