ロープと制動器について
登山用具は日々進化しているが、わけてもクライミングギアの変遷には目を見張るものがある。シングルロープは10.5mm、ハーフロープは9mm、ビレイデバイスは単純なスロット型、という時代が比較的長かったように記憶しているが、ロープはどんどん軽量化のため径が細くなり、ビレイデバイスがそれを追いかけるように変化してきている。
各メーカーがいろいろな商品を出しているが、ペツルを例に取れば、画期的なデバイスとしてリリースされた初代「ルベルソ」。あっという間に対応しきれない細いロープが出てきて、「ルベルシーノ」が発売され、その後ATCガイドの後追いをするように「ルベルソキューブ」が出て、現在最新がキューブをより軽量化した「ルベルソ4」と短期間に変遷している。
(写真は左がルベルソ4、右がキューブ)
ロープの方も、シングルで9mm台、ハーフなら8mmジャストのものも出ている。軽量化はありがたいことだが、安全性は当然のことながら、耐久性や使い勝手のバランスが取れていてこそ…と思ったりもするのだが。
ところで、大阪労山の方から、この手の新しいデバイスでのヒヤリハットの事例が紹介された。セルフブレーキングモードでセカンドをビレイ中、テンションがかかったときにロックが利かずにロープが流れ出したそうである。
テンションがかかると荷重側のロープがスラック側を押さえつけて自動的に制動がかかる仕組みなのだが、何かのはずみで並列になってしまうことがあるそうだ。
ルベルソキューブ、および4の場合、シングルで8.9mm以上、ダブル/ツインで7.5mm以上に対応している。現在市販されているロープはほぼ適合しているはずなのだが、伸び率が高いロープでは、荷重がかかったときにはデバイスの対応径を下回る細さになってしまうのかもしれない。
以前、沢登りのときに6mmコードで懸垂下降をしたことがあるが、なかなかスリリングだった。もちろんバックアップは万全にしてのことだけど…
最新のデバイスであろうと、ロープと適合していなければ非常に危険であることは認識しなければならない。
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コメント
僕はずっとATC一発でやってきていますが、最近、ビレイを頼まれてロープを持つと「えっ!?」と思わせられる様な細いシングルロープを使っている人が増えてきましたね。その都度周囲に「これ何mm?このATCで対応出来るの?」と聞いたりしていますが、いちいち聞きまくることも無い様にそろそろ新製品対策も検討した方が良さそうですね^^;
投稿: hiroganesh | 2012年12月 5日 (水) 09:46
ホント、ロープ径はどんどん細くなってきてますね。
私はATCガイドを使ってますが、やっぱり細すぎるロープはなんとなく恐いです。止められないわけではないけど…
適合するデバイスを選択することは重要ですねー。
投稿: にゃみにゃみ。 | 2012年12月 5日 (水) 21:25