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『脳はこんなに悩ましい』

月間「小説新潮」、読書情報誌「波」で掲載された、Nou_nayamashii気鋭の脳科学者池谷裕二氏と作家中村うさぎ氏の対談「オトナのための脳科学」を編集した一冊。

池谷裕二氏によるまえがきに

 第1章は「無意識の『私』」についてです。男女差についても語り合いました。第二章は心身論です。「精神と身体が交流することで『私』が生まれる」というテーマを軸に話題が広がります。第三章は進化と人類です。何がヒトをヒトたらしめているのでしょうか。第四章は生命の尊厳。二人でDNA検査を受けながら、人類の未来像に思いを馳せました。
 (中略)私は調子に乗って多く話しすぎてしまいました。これはそのまま本にも反映されています。あらかじめ読者の皆様にもお詫びします。と同時に、慎重居士たるべき科学者としてもまた、ブッ飛ばしすぎたと反省しています。



と、書かれているように、ちょっとブッ飛んだところや、オトナな内容も織り込まれた、きわめて面白い内容だった。

脳はこんなに悩ましい
池谷裕二、中村うさぎ
新潮社 刊
2012年12月 初版1刷 発行

例によって極にゃみ的気になった部分をちょこっと…

第一章から
P24
・ペンのようなまっすぐなものを横向きに前歯でかんで「イーッ」という形を作ると、縦にくわえて「う」の口の形をしたときよりも、同じ漫画を読んでも面白く感じるという実験もあるように、笑った顔は無理に作っても楽しい気分やテンションをあげる働きをする。

第二章から
P78
・「笑い」と「微笑み」では脳の状態が違う。脳への電気的な刺激で人工的に作られた微笑みであっても、実際によい気分になる。

第三章から
P113
・女性の方が男性よりある種の社会性が高く、集団システムを構築しようと努力しなくても自然に社会を作る。
 対して、男性は闘争心があるため、ペナルティを犯した相手を許さず、罰を強く与えてしまう傾向があり、結果として社会に規律という抑圧システムを持ち込まざるを得ない。女性はあえてルールを持ち込まなくても「なんとなくうまくいく」傾向がある。
ある意味で女性はボノボ的で、男性はチンパンジー的。

P143
・アメリカ人が英語を使っているときと、日本人が日本語を使っているときでは、脳の活動の様子が異なり、「英語脳」「日本語農」と呼べるような差がある。一般的な日本人は英文を読むとき、日本語脳で読んでいるが、バイリンガルの場合は英語脳と日本語脳が切り替わる。そのため、「キレるときは自動的に英語になる」バイリンガルもいる。

P164
・生命の進化に関して「すべて必然性の結果」という考え方があるが、統計学的にはあり得ない。偶然のバグによって驚異的な確率の末、“こうなっている”。人類の存在も、宇宙や太陽系の存在も同じ、奇跡的な結果。

第四章
P200
・他人の顔を覚えるのはひとつの先天的な能力で、人口の2%くらいは先天的にその能力が欠如した「相貌失認症」で、遺伝性が強い。後天性の場合は本人がすぐに症状に気づくが、先天性の場合は自覚することはほとんどない。クラスメイトの顔を覚えるのに数か月もかかるという場合その可能性がある(←まさにコレ!私!)

P226
・日本人の感性では「間」「空」という概念を大切にし、「虚」や「無」を感じるが、言語的には「無の存在」という表現がない。
インド・ヨーロッパ系の言語には「ゼロが存在する」という言い方があり、「There is nothing」「Nobody knows」という言葉があるが、それに相当する日本語はない。

P38
・科学は万能ではなく、欠陥だらけ、解明されていないことだらけ。「科学的だから信じる」という言い回しは妙で、例えば「科学的に説明できないから幽霊の存在は信じられない」という言い方はそもそも非科学的。「神」は科学ではわからないなにか、であり、科学で解明しようとする試みは“科学的に矛盾している”

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コメント

>笑った顔は無理に作っても…テンションをあげる働き

無理は良くない!心が拒否る。thunder
顔と裏腹に心が凍るスパイラルに陥る。

>男性は闘争心があるため、ペナルティを犯した相手を許さず…

僕はあの悪質極まりない“なんちゃってクライマーオヤジ”……絶対に許さん。impact

>「キレるときは…英語になる」バイリンガルもいる。

これはよく分かる…ジェジェnote

>偶然のバグによって驚異的な確率の末、“こうなっている”…

ホーキングもそういってるけど…結果、神はいないと。
ん??ん??…なんだかな~
彼は何か見落としてる…何か大きな透明壁を素通りしてる…そのうち修正が入る。

>(←まさにコレ!私!)

ふふ…僕もそうだけど…単に興味がないだけじゃん?

>「科学的だから信じる」という言い回しは妙で…

これは同感だな。
むしろ非科学的ゲンショウを科学的に証明せざるを得ない時期がもうすぐ来るよ。

今回も…楽しかったsun

投稿: オバカッチョ | 2013年5月24日 (金) 08:06

“神”という概念、
とらえかたがじつはバラバラなんだろうと思います。

一神教の人々にとっての神、と、
八百万の神々と共に生きてきた古代日本人と、
わけのわからん科学と言う名の宗教に取りつかれてる現代人と。

ホーキング博士の立ち位置がどうなのかわかんないけど…

神を信じるひとも、
仏を信じるひとも、
見えるモノ、証明できるモノしか信じないひともいるけど。

投稿: にゃみにゃみ。 | 2013年5月24日 (金) 08:29

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