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『魔女と呼ばれた少女』

元町商店街のミニシアター『元町映画館』で、気になっていた作品を観てきた。Majo内戦が続くアフリカが舞台で、残酷な殺戮シーンに戦場を徘徊する白い亡霊などの幻想的なモチーフがちりばめられながら、淡々とストーリーが展開していく。
やりきれない不条理、戦場ならではの狂気じみた気味悪さ、少年少女のほんのりとしたロマンなどが混ざり合い、芸術的?な香りが漂う作品。

『魔女と呼ばれた少女』
監督:キム・グエン
出演:ラシェル・ムワンザ セルジュ・カニンダ

『魔女と呼ばれた少女』公式サイト

紛争と内戦の絶えないアフリカで、12歳で反政府組織に拉致され、子ども兵士に仕立て上げられる少女の運命を描く。突然襲われた平和な水辺の村で、両親を殺害するよう強要され、過酷な戦闘訓練をさせられ…

 
描かれている悲惨すぎる出来事はとうてい実話とは考えにくいのだが、監督は10年以上にわたってコンゴで子ども兵士を取材してきたとか。断片的にはどのエピソードも本当にあったことなのではないだろうかと思える。
ヒロインと同じく拉致されてきたアルビノの少年兵との恋愛と無残な別離、望まぬ妊娠、ひとりでたちむかう出産、自ら殺害させられた両親の供養…

「失いかけていた自分を取り戻す人間再生の物語」と評した方がおられるが、あまりに過酷なストーリーに胃が痛くなってしまった。
日本からはとても遠い国、アフリカ。こんな世界を生きている子供たちが今もいるのだということ、それはこの平和ボケした国に暮らしている自分にとっては、精神的に辛くても、観ておいてよかったと思える内容だった。
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『元町映画館』での上映は6月21日(金)まで、11:00~12:35。

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