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『神去なあなあ日常』

「高校を出たら、まあ適当にフリーターで食っていこうと思っていた」Kamusari_2主人公、平野勇気。大学進学を志望するでもなく、就職活動をするでもなく、卒業式当日までコンビニでだらだらバイトをしていたら、なんと担任教師が「就職先を決めてきてやった」と言い出した。

「はあ?」っつったよ。「なんだそれ、冗談じゃねえよ」って。

という感じで、都会暮らしの平凡な高校生が、母親と担任の結託によって家から追い出され、いきなり紀伊半島の奥地にある「神去村」なる林業の村へと送り込まれるというお話。何しろ人生「ノープラン」なので、反発するでもなく、単身しぶしぶ新幹線に乗り、松坂で名も知らぬローカル線に乗り換えて、現地へと向かう。
なにかにつけて「なあなあ」と気の抜けた方言で喋る人々がのどかにくらす村で、本人の意思ではなく唐突に始まった田舎ライフ…

著者インタビュー

都市生活者にとっては想像もつかない“田舎”の生活、なかなかわかりにくい林業の実態などが軽妙なタッチで語られる。日々の山仕事、花見、祭り、子供の神隠し… 四季の移ろいの中で起こるさまざまな出来事。そしてクライマックスは48年に一度行われるという命がけの豪快な「大祭」。イマドキ、“妙に信心深い”村人たちが言う。

「山ではなにが起こるかわからない。最後は神頼みしかないんだよ。だから、山仕事をするものは無用な殺生をつつしむ」

日本人は昔から、きっとそんな感じで自然に対してきたのだろうと思える。そして、その謙虚さを持ち続けていれば、今のような状況にはなっていなかったのだろうとも。

ファンタジー的ではあるけれど、自然の恵みの中で、樹木の生長に合わせるかのようにゆったりとした山村ライフは魅惑的だ。
ちなみに、神去村の人々の口癖である「なあなあ」とは、「ゆっくりいこう」「まぁ落ち着け」「のどかで過ごしやすい」など、いろんな意味を含んだコトバで、作者の創作。

『神去(かむさり)なあなあ日常』
三浦しをん 著
徳間書店 刊
2009年5月 初版発行

★以前に読んだ同じ作者の作品…『白いへび眠る島』

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コメント

この作品、大好きです。
ゆっくりゆっくり読みました。
あとは、風が強く吹いている、かな。

最近ゆっくり本を読んでいないので、
週末は久々になにか読んでみよう。

投稿: chika | 2013年6月 5日 (水) 09:23

chikaさんもこの作品お気に入りですかー。
ホント、ゆっくりと時間をかけて楽しみたい作品ですね。

ちょっとほかの作品も読んでみようかなーって思ってます♪

投稿: にゃみにゃみ。 | 2013年6月 5日 (水) 22:17

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