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『社会の真実の見つけかた』

「メディアが流す情報を鵜呑みにしていては、社会の真実は見えてこない」
Sinjithu_tutumi9・11以後のアメリカで、メディアが人々の恐怖心と競争をあおってきた実態、そして若い世代の人たちが未来のために「情報を読み解く力」の大切さをわかりやすく解説した本。子どもだけに読ませておくのはもったいない良書だと思う。

『社会の真実の見つけかた』
堤 未果 著
岩波書店 刊
2011年2月 初版発行

極にゃみ的要約…

第1章「戦争の作りかた-三つの簡単なステップ」では、的確な情報がない中で恐怖心を煽り、“仮想の敵”を仕立て上げて人々を戦争へと駆り立てるアメリカの戦略がインタビューなどを交えながら解説されている。

P30
 何かを売ろうとする時、効果的な広告モチーフは美人(Beauty)、赤ちゃん(Baby)、動物(Beast)という三つのBだと言われるが、戦争を作りだすステップは〈凶悪な敵〉〈被害者意識〉〈愛国心〉の三つだろう。あたらしい敵の存在と、それにあおられ生み出される国民の憎しみや被害者意識が、巨大な世論となって政府に戦争の大義名分を与えるのだ。
 ナチスを率いたアドルフ・ヒトラーは著書『わが闘争』(角川文庫)にこんな言葉をのこしている。
「民衆の圧倒的多数は、冷静な熟慮よりもむしろ感情的な感じで考え方や行動を決める」


第2章「教育がビジネスになる」では、競争原理と民営化の導入によって機能しなくなっているアメリカの教育現場について解説。「戦争」「教育」「貧困」は一本の線でつながっていて、「落ちこぼれゼロ法」で逆に落ちこぼれていく貧困層の子どもたちが軍隊にリクルートされていく仕組みになっている。

P92
 教育に市場原理を持ち込み、過度な競争と能力主義を入れることで、その恩恵を受けるのはいったい誰なのか?
 短期間で結果が出せなければ教師を切るというやり方は、種をまき、ゆっくりと人間を育ててゆくという「教育」の価値を、根本から壊してしまう。
 そして肝心の学力はどうだろう?
 「落ちこぼれゼロ法」の名とは裏腹に学力の低い生徒たちは追い詰められ、その結果、競争から零れ落ちる生徒は増えている。


TPPに参加すると、そんな狂ったアメリカの市場原理がダイレクトに日本になだれこんでくるのではないのか。

第3章「メディアが見せるイメージはウソ? ホント?」では、世論を誘導するメディアの手法が語られる。1973年に徴兵制が廃止され、「志願制」となったアメリカで、戦場へ送る兵士が足りなくならないように周到に仕組まれたシステムは本当に恐ろしい。「落ちこぼれゼロ法」の中に、全米の高校生の個人情報を軍に提出させる義務を盛り込み、落ちこぼれてどうしようもない子どもたちを狙い撃ちでリクルートする。大学進学を餌に高校生を入隊させるが、提示される契約時の好条件はすぐにメッキがはがれ、手取りの給料は意外と少なく、戦場では心身ともに傷ついて、帰国するとバラ色の将来どころか働ける場所もなく必要な医療費はかさみ、結局貧困からは抜け出せないという実態が待っている。
その悪魔のようなリクルーターですら、ノルマが課せられ、果たせなけば前線に送られるというペナルティも。落ちこぼれてリクルートされる高校生も、女衒のように甘言を呈して彼らを勧誘するリクルーターも、ともに「経済徴兵制」というシステムの犠牲者。

第4章「社会は変えられる」は、選挙について。
「AARP(全米退職者協会)」という全米最大のNPOが、そのボリューム(数による力)で政治を動かし、制度を変えて行ったプロセスなどを解説。
「しあわせになりたければ選挙に行け」

P192
 「よく選挙に行かない理由を聞かれて、政治が何もしてくれないっていう若者がいるが…」
とマイクは言った。
 「悪いけどあたりまえだろ?と思うね。誰だって自分に関心を持ってくれて、ちょくちょく顔を見に来てくれるような相手の方を大事にするに決まってるさ。そういう相手の為に動けば、見返りもあるし、充実感も感じられる。
 一生懸命自分を売り込んでも肝心の選挙の日に投票にも来てくれないような相手に何かしたいと思うか?選挙に来ない若者や政治に無関心な連中は、政治家たちにとって都合のいい透明人間と同じなんだよ」


そして、いよいよ来週。21日は重要な選挙です。

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コメント

>メディアが流す情報を鵜呑みにしていては、社会の真実は見えてこない…

本当だよな…

世界を牛耳る頑強な組織と膨大な相反する情報量から真実を見出すのは
一般人には、かなり、しんどい作業だよ。
しかもその裏は欲と利権が渦巻き…ともすると巻き込まれて自爆。
原発反対をテーマの名も無き科学者や技術者の出版物を扱っていた出版社を経営していた友人は、黒スーツの男達に拉致されたことがある。
「こういった本を扱うな」と。嘘のような…本当の話。
彼は果敢に貫き通したが…家族の不安は尋常ではなかった。
でも、名も無き彼等の訴えは、福島のような事故を想定しているものだった。
事件は80年代だったなぁ。

TPP…仕組まれてるよね。あの時期に、あのタイミングで、有事勃発の危機って…アリエネエ~

日本は次の手を考えなくちゃな。


投稿: オバカッチョ | 2013年7月 9日 (火) 13:17

表面だけ見ていてはわからないことばかり…

黒スーツも怖いけど、
水面下で粛々と仕組まれてる膨大なモノゴトも怖い。

一般人にできること… せめてきちんと情報収集をして
選挙に行こ。。。

投稿: にゃみにゃみ。 | 2013年7月 9日 (火) 13:37

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