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『ここに神戸がある』

神戸のタウン誌「月刊神戸っ子」から1999年に発行された司馬遼太郎追想集。Dsc01860
「月刊神戸っ子」で10回にわたって連載された「ここに神戸がある」(1961年4月号~1962年2月号)、続く1962年3月号~の「問わず語り」という随筆を中心に、陳舜臣さんや田辺聖子さん、五十嵐恭子さんの寄稿などをまとめた一冊。

「ここに神戸がある」シリーズは、神戸の街や背山の六甲山、有馬温泉などを編集者と共に訪れて書きあげた随想で、直木賞を受賞したばかりの人気作家の目で見当時の神戸の魅力が生き生きと描かれている。

『司馬遼太郎追想集 ここに神戸がある』
1999年2月 初版1刷発行
月刊神戸っ子 刊

連載第1回目で書かれているのが、加納町に現存するアカデミー

Dsc01861

エッセイの最後に、アカデミーの主人(当時)とのやりとりを記している。

「最初、店は、上筒井の関西学院のそばでやりました。そのころ学生だった竹中郁さんも来てくれましたし、先生の坂本勝氏や、河上丈太郎さんもきてくれましたよ」
「創業は何年です」
「大正十一年でした」
 私はまだ生まれていない。その前年である。おどろいて、
「かれこれ四十年になりますな」
「ええ」
 無造作にこたえたが当時はバーというものが日本じゅうに、まずなかった。
近所の人は、最初はクスリ屋だと思ったという。
「日本最古のバーじゃないですか」
「そうなりましょうな。大阪や東京の古いバーもその後つぶれたり代がかわったりして。続いているのはここだけのようですな」
「なるほど」
 ハイカラの伝統の古さは、このバー一軒を見てもわかるような気がした。
私は店内を見まわしながら、
(なるほど、ハイカラ文化財だな)と思った。

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