映画『朝日のあたる家』
福島で原発事故が起こったあと、再び地震が起きて“ヤマオカ”原発が過酷事故を起こすというストーリー。あれこれ突っ込みどころは満載かもしれないが、これは“架空の話”ではなく、現在進行形で起こっていること。
愛する故郷を、住み慣れた家を離れて暮らさざるを得ない幾多の人々の姿そのもの。そして人々の上に降り注いだ放射性物質は子どもを蝕み、“ただちに健康への影響はない”としても、着実に生き物のDNAを傷つけていく。
反原発運動をしている“原発にいさん”を軽い揶揄の目で見る人たちや、避難を勧められても、「政府が安全と言っているのだから大丈夫」と言い、移住を勧める親戚に「故郷を離れたお前と違って自分はこの土地を離れられない」と言い、線量が下がっていないのに避難命令が解除されると「家に残って除染をして家族を呼び戻す」と言う“お父さん”は、今の被災地にもきっとたくさんいるのだろうなと思う。
体調を崩して検査を受けても「避難生活のストレス」と診断され、蝕まれていく子どもの姿は、映画の中だけのことであって欲しいけれど。
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