25年の「デレミトチャ!」
新町の路地裏に25年前に開業した「南亜細亜亜熱帯ビスタリ食堂ラクシュミ」 。
←この写真は2007年7月のもの。
専門学校時代の同級生の友人が開いたお店で、オープン当時、この近所の事務所に居候していたこともあって、当初から数年間、足繁く通った。
アメリカ村の「楽天食堂」がまだ絶賛営業中だった頃で、この2店をヘビーローテーションしてて、どちらも週2回くらいは通っていたのである。
その後すっかりご無沙汰状態が続いていたのだが、このたびスタイルを大きくリニューアルされた。で、久々に行ってみたのだけれど。店内・店外とも撮影禁止なので、今回の写真はありません。
“理由”は… なんとなくわからんでもない。つか、その、店側の“主張”は受け入れる。
★ラクシュミ
大阪市西区新町1-20-17
06-6536-0779
昼:火~土 11:30~15:00(LO14:30)
夜:水~金 17:30~21:00(LO20:30)
20数年前、兵庫県に戻ってからは、なかなかミナミまで足を運ぶ機会もなく(いや、たまにはあったけど)、いつも大行列な店は、並ぶのがニガテな極にゃみ的には敷居が高かった。一番好きなカリーの店でありながら、なかなかご無沙汰な状態がずーっと続いていたのであった。
それが…
25周年の節目で、大胆にリニューアル!
内装はほとんど変わってなくて、ちょこっと席がゆったりしたくらい?
席数はちょい減った感じで12席ほど。
大きく変わったのがメニュー。通常メニューが1000円前後(極にゃみ的記憶は小食セット750円が最後…)だったのが、なんと1800円が2種類と2500円の三択に。
1800円のうち、「1988ベーシックスタイル」はチキンかキーマ、
「2013あまのきまぐれ」は日替わりからセレクト。メインのカリーと野菜カリー、サブジ、アチャール、一品に「きまぐれ」はダルが付く。2500円の方はその1.5倍くらいのボリュームであるらし(食ってないから知らん)。
本日、「きまぐれ」を食してみたのだが、日替わりはチャナマサラかチキンキーマ。
ボリューム的にはかつての「小食セット」くらいだけど、サイドメニューが手が込んでて、きちんといい材料を使って丁寧に作られているのがよくわかる。
チャナマサラは相変わらずのスパイシー感で、途中から汗だくだくになったけど、独特の爽快感はホントやみつきになる系。野菜カリーとダルスープの滋味あふれる味わいは、この店ならではというか、ほかの店ではまず出会えない(けど、化学調味料の味に慣れてる舌には全くわからないと思う)。
中高年ならお腹パンパンになるレベルの「小食セット」が750円でいただけた数年前のことを思えば、3倍近い値上げなわけだけど、年に一度か二度しか来れないのに行列が大嫌いな極にゃみ的には、ちょっと客が減ってくれる方がありがたいカモ、とか思ってる。
第一、使う材料に本当にこだわって、安全で美味しい食材をきちんと見極めて提供してくれるこの誠実なお店。少々高くても、納得して通うコアな客だけで充分やっていけると思う。
というか、その価値を認める客だけでいい、という選択を店側が示すって、大事なことだと思うのだ。
「安ければいい」と思う消費者、「安くなければ売れない」と思う生産者。
その両者が作りだした、今の不毛な経済構造。
私はどちらかと言えば社会の底辺に近い貧乏人だけれど、100円ショップは嫌い。安さだけを訴求する系の量販店も支持しない。
モノには正当な対価を払ってしかるべきだと思っている。
セレクトに専門知識が必要な、たとえば山道具なんかは、安くなくてもきちんと説明ができる店でしか買わない。説明だけ聞いて、安売りの量販店で買うようなヤツは山ヤの風上にも置けないと思っている。
物価や人件費が違う国からモノを仕入れるとどうなるのか。今、この国でも深刻に思い知らされてきていると思うけれど。
それは、「自分の労働の対価」をどう求めるか、と表裏一体。
「安いモノしか買いたくない」のなら、自分の労働だって値切られて当然。
ブラック企業のブラックさは、正統な対価を払うのを嫌がった消費者が作りだした、「構造のブラックさ」だと思う。
大手ホテルやレストランで発覚する一連の偽装事件だって根っこは同じなのかもしれないよね。
正当な価値を価格に反映したら客が来ないけれど、“一流”とか“高級”を装うためには“どうせわからない”範囲で安い材料を使わざるを得なかったってことなのではないのか?
というわけで、「きちんと納得できるちゃんとした材料を使って、きちんと納得できる価格にしたらこうなりました」というこの店は、これでいいのだと思う。頻繁には通えないけど。
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