『脳には妙なクセがある』
『脳はこんなに悩ましい』、『単純な脳、複雑な「私」』に続いて、池谷裕二さんの著作を読んでみた。
「脳は妙に
IQに左右される/自分が好き/信用する/運任せ/知ったぶる/ブランドにこだわる/自己満足する…」
など、脳の「妙な習性」について解説。350Pもある分厚い一冊で、読了にはずいぶん時間がかかってしまった。
多岐にわたる内容で、「へぇぇー」というネタが満載。
極にゃみ的脳のキャパシティでは、読み終わった頃、最初の方の項目をほとんど忘れてたけど… 加齢によって脳の能力は低下するものではない…そうです。トホホ。
『脳には妙なクセがある』
池谷 裕二 著
扶桑社 刊
2012年8月 初版一刷発行
極にゃみ的に気になった部分だけを簡単にメモ。
(簡単メモ)
・笑顔の効果は抜群。笑顔はコミュニケーションの最強の武器になると同時に、無理に作った笑顔でも、自分に対してよい心理効果がある。
・楽しい感情は問題解決を容易にしたり、記憶力や集中力を高める作用がある。
・姿勢を正すことによって自己評価が高まるなど感情に影響がある。
・香りの刺激は直接脳に届く。コーヒーのよい香りが人を親切にするなど
・「カロリス(カロリー・リストリクション=カロリー摂取を控える)」は効果的。20~30%のカロリーを控えると寿命が延びるばかりか、成績が向上。
・アイスよりホットの方が「穏和で親近感」を与える。
・ボクシングでは赤サイドの方が青サイドより勝率が高い。柔道の青胴着と白胴着では青の方が勝率が高い。
→赤色は「志気を奪う」色で、相手を無意識のうちに威嚇して優位に立ちやすくする色
→極度な集中力が要求されるシーンでは赤、創造性が要求されるシーンでは青色が好成績を出す
・幸福感は加齢に伴って高まる。ただし、高齢者のうつ病も意外と多い。
・消化器官の状態が心に影響を与える。「健全な精神は健康な胃腸に宿る」側面がある。
・脳には「入力(身体感覚)」と「出力(身体運動)」があり、この2点が脳にとって外部接点のすべて。
→「笑顔」という出力によって「その行動結果に見合った心理状態を脳が生み出す」=笑顔に見合った心理状態になる
→「何事も始めた時点で、もう半分終わったようなもの」=「やる気」が出たからやるのではなく、やり始めるとやる気が出る。
(大脳新皮質について)
・ヒトの脳には、脳幹・小脳・基底核といった進化的に古く、身体性と深く関わる部位と、身体と直接的な連結をほとんどもたない大脳新皮質があり、進化的には旧脳を円滑に動かすための予備回路か促進器的な役割だったはずの大脳新皮質が主導権を持つという下剋上的な進化があった。本来は身体運動・身体感覚のフィードバックが常に行われていた脳活動が、身体を省略して脳内だけの内輪ループが完結するようになったことが、「脳回路を身体性から解放」し、「心」が生まれた。
瞑想
・修行を積んだ高僧は瞑想に入るとすぐ強いガンマ波が生じる。修行の浅い僧では、集中力の必要な脳部位が活性化するが、ベテラン僧では凡人並みにしか活性化しないがガンマ波は強い。
→「集中力」とは本来動物にとって不自然な状態。
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