今、世界を支配しているのはカネの力を唯一の尺度とする「マネー資本主義」だが、
その尺度で「安いもの」を求め続けた結果が、農業や林業など一次産業の衰退。さらに製造業全般が国内では成り立たなくなりつつある。
農地や森林の荒廃は食糧自給率を低下させるだけでなく、環境の悪化や水資源の枯渇につながり、つまりそれは“国力”の衰退に直結する。
“有事”に際して、輸出入がこれまで通り行われるとは考えにくい。海外からの食料やエネルギー供給が停められたら、紛争当事者以外の他国がそれらを供給してくれるのか?余裕があれば“人道的”支援をしてくれる国もあるかもしれない。が、今後、世界的規模で異常気象などによって農業生産はどうなるかわからない情勢の中、そんな楽観論に頼るのは危険すぎる。
“国防”にまず必要なのは、秘密の保護や武力の拡充などではなく、食料とエネルギーを自前でどうにかするチカラ、だ。だって日本の息の根を止めるのは簡単。海外からのそれらの供給を止めれば、たちまち飢える。無防備にも海岸沿いにたくさん貯えてある核施設を攻撃しなくても簡単に陥落できる(核施設の攻撃も簡単だと思うが、世界中が迷惑するだろう)。
食糧とエネルギーの自給?「資源のないこの国でそんなことは無理」?
じつは、究極の「バックアップシステム」が日本の里山に在った…経済学の専門家による、非常に面白い視点の一冊。
『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』
藻谷浩介,NHK広島取材班 著
角川書店 刊
2013年7月初版発行
貨幣を大量かつ高速回転させることによって利益を求める「マネー資本主義」はすでに行きづまりとなっている。
「マネー資本主義」から得られる“豊かさ”は本当に人間を幸せにするのか?
都市部への一極集中は果たして生物としての人間に幸せをもたらすのか?
その答えのひとつがここにある。
参考:NHKエコチャンネル里山のチカラ
極にゃみ的抜粋…
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