『THE BIG ISSUE JAPAN 228号』
Twitterで堤未果さんのインタビュー記事が秀逸、というつぶやきを見て、先日大阪へ行ったついでに購入。ツイートで見たのは226号だったのだが、発売されていたのはすでに228号だった。ちなみにもう次の229号が発売されてるはず。
★公式サイト…ビッグイシュー日本版
巻頭のスペシャルインタビューはレディー・ガガ。話題のアルバム「ARTPOP」について。表題曲「Born This Way」は、“黒人も白人も混血でも、障害があってもゲイもストレートも、こうなる運命の下に生まれてきたのだから、とありのままの自分でいられることの素晴らしさ”を表現したもの。人権や平等についてのメッセージを込めたアルバムを作ることはリスキーなことだが、彼女は「想像した以上に成功した後、人間としてやらなければいけないことだって思った」と語っている。
そして、連続スペシャル企画『堤未果さんに聞く「貧困大国アメリカ」その2』。
レーガン政権以降大きく変わったアメリカの教育システム。教育というものが“未来の人材への投資”から、“個人に利益をもたらす個人投資”に変わり、公教育の崩壊と教育の市場化によって若者たちが学資ローンで借金地獄に陥り、返済のために軍隊に入らざるを得ないような状況が起きている。
11月5日に閣議決定された「秘密保護法」の次は、日本も同じような状況になりかねない、と危惧する堤さん。
インタビューの最後の部分を抜粋する。
「貧困大陸アメリカ」を書いた私ですが、人間の未来には希望を持っています。なぜなら、世界のかたちがこの20~30年で激変する中で、それに抵抗する勢力もちゃんと広がってきているからです。「公益」とは何か?教育、医療、コミュニティの価値とは何か?取材を通して出会う、原点に戻って考え始めたたくさんの人たちが、アメリカだけでなくアジア、ヨーロッパ、南米、中東、アフリカ、そしてここ日本にも、確実に増えてきているのを実感しています。株式会社に消費される「モノ」ではなく、未来を選び取る自由をもち、かけがえのない自分自身を誇れる、血の通った「人間」として生きること。
そう願い、つながり始めた人たちは、本能的に知っているのです。それが数字で決して測れない、けれど四半期などよりずっと長い時間をかけて、私たちの未来にリターンをもたらす、真に価値ある投資であることを。
世界はいま、1%の資本家に支配されようとしているけれど、“消費される”ことを選ばない生き方もできるはず。
『里山資本主義』もそのひとつの答えだし、99%を占める多くの人々の中には、いろんな知恵があるだろう。絶望するより、考え続けて、次の世代に少しでもまともな世の中を引き継げるようにしていかなければ。
堤未果氏の著作(極にゃみ的レビュー)
『(株)貧困大国アメリカ』
『社会の真実の見つけかた』
| 固定リンク
コメント
ホント!そうですね!!
見守る!支援する!持てるすべてをつぎ込むくらいの覚悟で。
それが“大人”の責任かも。
でも、そうして果たすことがあるってことは、それも希望です。
投稿: にゃみ。 | 2013年12月17日 (火) 23:13
>期待… していいかなー。
私たち“大人”といわれる人類は
そんな彼らの足を引っ張らないよう
見守り、必要とあらばどこにでも馳せ参じる覚悟を。
当然…該当しない新人類もいるけど
それはそれで“光る彼ら”の引き立て役…ってことで
投稿: オバカッチョ | 2013年12月17日 (火) 13:02
若い方たちにそういう人々がいてくれるのは、
本当に心強いし、ありがたいですね。
自然から隔絶された都市生活しかしたことがない人たちって、「本能」を喪失していくのかなと思ってたけど、案外人類もしぶとく生存本能を持っているのかも。
期待… していいかなー。
投稿: にゃみ。 | 2013年12月16日 (月) 23:45
>人間の未来には希望を持っています…
周りの若者達との関わりの中でそのように感じますね。
各分野の20代、30代の若者達の中に本当にらキラキラ輝く人達がいます、本当に増えてきた感じです。
>つながり始めた人たちは、本能的に知っているのです
義務感ではなく、生まれてきた時から、そのような事をキャッチする能力を備えている…といった風ですかね
人類を破滅から守るため…本能という機能が発動しはじめてるんですね
周りの若者達に接していて、そのように感じます。
投稿: オバカッチョ倶楽部 | 2013年12月16日 (月) 08:02