六甲山大学ミントサロン拡大版「ミントフォーラム」
六甲山大学山麓キャンパスの恒例「ミントサロン」3月分に出席。
拡大版スペシャル企画で、大武校長を座長に、兵庫県立人と自然の博物館の服部保先生、造形作家でドングリネット神戸代表のマスダマキコさん、神戸市森林整備事務所の重藤所長も交えて、六甲山の森や自然についてのお話、問題点、これからどうしていくべきかなどをお話しいただいた。
極にゃみ的には、前回に引き続き皆勤賞継続中。
服部先生からは、“お約束”の「都市山」論を。山麓に200万人が暮らす大都市があり、1000m近い標高を持つ山は日本でも六甲山だけ。都市に隣接という意味では、札幌の藻岩山、大阪の生駒山があるが、いずれも標高600m程度で高さが足りない(?)。東の高尾山と比較されるが、あちらは山奥で辺鄙。
六甲山は、近畿地方の中央に位置し、山陽系、中国山地系、北方系、紀伊山地系、南紀系、港系と6つの系統からなる複雑な植物相を構成。垂直分布が大きいので、気候変動のときにも適応できる環境で、非常にユニークな多様性を持っている。
しかしながら、近年頻発する時間雨量100㎜レベルの豪雨が降るとどうなるか予測もできない危うさも持っている。山麓の住民は山を守るための意識が高く、植樹や森の整備にボランティアとして関わっている、というようなお話し。
マスダマキコさんからは、阪神大震災のあと、香川県の「ドングリ銀行」の事例に学んで木を植えるプロジェクトとして活動を開始したところから、いろいろな活動を紹介いただいた。おらが山の植樹地では立派な木が育ち、街中を走るバスの中で子供が「あの森はぼくが植えた森なんや」と母親に誇らしげに言っているのを見た、というエピソードも。フラワーロード南側に作られた「みなとのもり公園」では、開園前の整備期間から植樹活動に取り組み、2005年の1月17日に参加者にどんぐりを持って帰ってもらって、各自で育ててもらい、2008年に植えた木が2010年の開園を経て、今では立派な森に育って、大きいものでは5mくらいまで成長しているという事例も。
来年で活動歴20年になるので、これまでの活動はいったん終了し、新たな取り組みとして森づくりへとシフトしていきたい、とのお話しだった。
重藤所長からは、子どもたちと森との関わりということで17年の歴史がある神戸森の小学校・ようちえんの活動について紹介。摩耶の森クラブでも、子どもの参加があるとのこと。
緑化110年になる六甲山の森が現在かかえている問題点としては、常緑樹が増えすぎて、光の入らない暗い森になっているという点が挙げられる。このまま放置すると、アラカシ、ヒサカキ、ネズミモチ、ヒイラギなど10種程度の常緑樹が一人勝ち状態で増えて照葉樹林化していくのは明らか。
今後六甲山の森をどういうふうにしていくべきなのか、森林整備戦略をしっかりと考えていくことが必要。
…と、いうお話を聞きながら、やっぱり『里山資本主義』だよなぁ、と考えていた。
木を切るのに莫大な費用がかかるがやらねばならない、と服部先生は仰ったけど、切った木を資源として活用すれば簡単に解決する問題ではないのか。もちろん、国立公園、保安林、緑地保全などいろいろな縛りがあるので、そう簡単には行かないだろうが、そこをうまく仕組みを変えていくクレバーな選択こそが“戦略”だろう。
ちなみに、来月のミントサロンは「2014年 春・夏の六甲山の楽しみ方」と題して私が再度お話しさせていただきます。
■4月24日(木) 19:00~20:20 三宮ミントビル18階「ミントテラス」
お申込みは六甲山大学HPから(まだUPされてないかも)
第1回でもお話しさせていただいたのに、二度目の登場ですみません。
『六甲山シーズンガイド 春・夏』刊行記念、的な感じです。
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