道端は野生の王国!(街中植物・春編)
登山口までの街中でも、いろんな花を見ることができる。
路傍で野生化している植物たちも、足元でひっそりと春を謳歌しているが、その大半は帰化植物。見た目は可憐で美しいものが多いが、日本の在来植物や生態系への影響が懸念されている種もある。
★ユウゲショウ(花の大きさ/1.5-2㎝くらい)
南米~北米原産、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草。明治時代に観賞用として移入したものが野生化して全国に分布。
★ナガミヒナゲシ (花の大きさ/3-4㎝くらい)
※可憐な花だが、近年増えすぎて問題化。漢字で書くと「長実雛罌粟」
地中海沿岸原産の外来種で、50年ほど前に日本に侵入。一個体から最大約15万粒の種子を生産するほど繁殖力が強い上、アレロパシー活性が強く、ほかの植物の生育を阻害してテリトリーを広げるため、在来種を駆逐し生態系に悪影響を及ぼす可能性があるとして注意喚起が行われている。
★ツルニチニチソウ(花の大きさ/4-5㎝くらい)
キョウチクトウ科ツルニチニチソウ属の耐寒性・ツル性常緑低木で、南ヨーロッパから北アフリカにかけて分布。近年野生化してどこにでも生えている。一回り小さい「ヒメツルニチニチソウ」というのもある。
★ペラペラヨメナ(花の大きさ/1-2㎝くらい)
北アメリカに分布するのキク科の多年草で、関東以西の全県に分布。耐暑性,耐旱性があり、石垣や川の壁面などで5月頃~11月頃まで花を咲かせる。始めは白い花が次第に赤くなり、2色が混じって咲く。
★ヒメツルソバ(ポリゴナム)(花の大きさ/5-8mmくらい)
タデ科、ヒマラヤ原産の多年草で、明治時代にロックガーデン用に移入されたものが野生化。非常に丈夫で、石垣の隙間などに生育、初夏から秋まで花を咲かせ、秋の葉の紅葉も美しい。園芸の世界ではグランドカバーとして利用される。
★ツタバウンラン (花の大きさ/1㎝くらい)
ゴマノハグサ科、ヨーロッパ原産の帰化植物。花はムラサキサギゴケやトキワハゼに似ているが、つる性で歩道の隅や壁などに這っている。
★マツバウンラン(花の大きさ/幅5-7mmくらい)
北アメリカ原産の帰化植物で、ここ数年都市部でよく見るようになった。大阪市内のビル街などでもよく見かける。
ゴマノハグサ科ウンラン属の一or二年草。葉の形が松葉、花がウンランに似ているところから名づけられたが、「仮面状花冠」と呼ばれる独特の花。
★ムラサキカタバミ(花の大きさ/1.5㎝くらい)
カタバミ科、南アメリカ原産で江戸時代に観賞用として移入したが、野生化して全国に広まり、環境省による要注意外来生物に指定されている。
★カタバミ (花の大きさ/1㎝くらい)
カタバミ科の多年草で、葉や茎はシュウ酸塩を含んでいるため噛むと酸っぱく、酢漿草(サクショウソウ)という生薬名もある。葉を図案化した「片喰紋」は武家の五大紋の一つ。
★キュウリグサ(花の大きさ/1㎜くらい)
ムラサキ科キュウリグサ属の多年草。アジア各地に分布し、農耕と共に伝来した古代帰化植物。葉をもむときゅうりの香りがするが、花は勿忘草の仲間でとても可憐。花茎の先端はサソリの尾のように巻いており、サソリ型花序と呼ばれる。
★ムラサキハナナ(花の大きさ/3㎝くらい)
アブラナ科オオアラセイトウ属。中国原産の一年草で、江戸時代に移入したものが野生化。オオアラセイトウ、ショカツサイ(諸葛菜)という別名も。
これらは、すべて阪急六甲駅から杣谷出合までの間の住宅街の道端で見かけたものです。
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コメント
花の名前が解らなかったのが・・・解決しました
「ナガミヒナゲシ」ですよく見ますが名前が
先生のおかげでわかりました、ありがとうございました。
投稿: 湊のメリー | 2014年4月26日 (土) 21:28
お役に立てて光栄です。
ホント、身近な環境にもいろいろありますよね。
知らない植物も…
そしてそれらにも固有のドラマが秘められていて、
ホントに自然って奥深いものだと思います。
いいも悪いも。
投稿: にゃみ。 | 2014年4月26日 (土) 22:13