『ファルージャ~イラク戦争日本人人質事件・・・そして~』+関連企画
元町商店街のミニシアター『元町映画館』でずっと観てみたかった作品を。
10万人以上が虐殺され(15万人という説も)、仕掛けたアメリカ軍側も4500人の兵士を失った「大義なき戦争」の開戦から今年で11年。そして多くの一般市民が巻き込まれたファルージャ攻撃から10年。
結果的にアメリカが攻撃理由とした「大量破壊兵器」なんかどこにもなかった。まったく無駄に10万人以上の命が奪われた。
日本政府はいち早くアメリカへの支持・協力を表明、2003年12月にイラク特措法を仕立て上げてサマワに自衛隊の海外派遣を敢行。そして、それまで「日本」は敵と認識していなかったファルージャのイラク武装勢力が現地にいた三人の日本人を拘束、自衛隊の撤退を要求。従わなければ生きたまま三人を焼き殺すと表明…。
国際紛争時の邦人保護は政府の使命だが、「激戦地へ出かけていった本人の自己責任」という言葉で彼らは祖国の政府から見捨てられた。
彼らはべつに物見遊山で訪れていたわけではなく、国際協力で現地の人々のために働くボランティア、報道カメラマンであり、この国ではなく拘束した側がそのことを認めて、最終的に釈放に至ったのだが、無事に帰国した彼らを待っていたのは、容赦ないバッシングだった…という映画『ファルージャ~イラク戦争日本人人質事件・・・そして~』。
※元町映画館にて5月23日まで。
この作品は観るべき。「マスコミって?世論って?」ってコトがよくわかる。
そして、関連企画として開催された『市民社会フォーラム第129回学習会』へ。
すぐ近くの「こうべまちづくり会館」にて、
『事故を隠ぺいされた元自衛隊員の告発
集団的自衛権行使の行く先にあるもの』
元イラク派遣空自隊員の池田頼将氏、ジャーナリストの志葉 玲氏をゲストスピーカーに招いてのフォーラム。
派遣先のクウェートで、事故で負傷した池田氏。都合の悪いことはすべて隠ぺいするという組織体質によって、満足な治療も受けられず、結果的に後遺障害に今なお苦しんでいるという。外傷性顎関節症によって、ふつうにしゃべることすらたいへんそうで、固形物を咀嚼できないため、流動食で生きているという。
元々非常に強健な肉体の持ち主だったそうだが、冬は寒くて一日中電気毛布にくるまっていないと耐えられず、気温が上がってきてようやく動けるようになったそうである。
★詳しいいきさつはこのサイトを参照
→診断書には「政治的圧力により治癒」池田頼将氏3/20元イラク派遣空自隊員と問う集団的自衛権(文字起こし)…ココ!
戦地の取材などを続けて来た志葉氏と、自衛隊員としてイラクに派兵された池田氏の話を聞いていると、「集団的自衛権」なんて絶対に認めてはいけないことがよくわかる。
そして「秘密保護法」が施行されたら、そんなこともこんなこともすべて「特定秘密」。国民は重要なことを何も知らされないままに、戦争と言う恐ろしい事態に巻き込まれていくかもしれない。
最後に池田氏は、「集団的自衛権」によって自衛隊が“自衛”の範疇を越えた軍事行動を行うことになれば、入隊志願者が激減し、徴兵制ということになるだろう、と語った。
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